わかりにくい「墨」の魅力を伝える、日本一小さな墨工房
NewsPicks +d編集部
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あれは2年前の冬。奈良が好きで、年に何度か旅行するのですが、奈良が書道の聖地と知って、観光客向けのプログラムを奈良駅近辺で探していたところ、墨工房「錦光園」の「にぎり墨体験」に出合いました。
じつは10代のころは地元の書道家に師事し、本格的に書道を習っていた私。墨の香りをかぐだけで胸がすくような、たまらない気持ちになります。
墨をすっている時間は今でいう「マインドフルネス」。
硯でするための長方形の固形墨しか触ったことのなかったので、生の墨を手で触った時のぬくもりややわらかさは衝撃でした。
その時教えてくださったのは、今回インタビューさせていただいた7代目・長野睦さんのお父様。
秤や木枠など、歴史を感じさせる道具類は見ているだけでも楽しいし、墨のお話は「もっと子どものころに知っておきたかった」と悔しい思いをしました。
また、驚いたのは東京で錦光園の「香り墨 Asuka」に出合っていて、すでに何度か購入していたということでした。
この工房との関係を知らず、商品の魅力にほれ込み、GINZA SIXの蔦屋書店で購入しており、友達へのギフトにも愛用していたのです。
するための墨、書くための墨ではなく、香りをめでるための墨という発想が日本人としての根源的な何かを「きゅん」とさせます。
今回、じっくりと取材させていただいた長野睦さんは自らを「伝える墨屋」と名乗っています。需要が激減し、廃れていく流れに身を任せるのではなく、墨の魅力を老若男女問わず広く伝えていこう全国を奔走している長野さんの言葉には、ひとつひとつ熱い思いが宿っていました。
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