日本でなぜブレイクしないのか。日本法人トップが語るAirbnbの課題

2015/5/30
ヒルトンやマリオットなど世界的なホテルチェーンと並ぶと言われるAirbnb。だが、いまいちピンとこない読者も多いだろう。事実、ニューヨークやパリに比べて日本ではまだまだその存在は薄い。これから日本ではどのような戦略をとるのか。日本法人代表を務める田邉泰之氏にインタビュー。
──今の日本市場をどう見ていますか。
田邉 非常に高い可能性を秘めています。東京だけでなく、札幌、福岡、大阪などの大都市圏も“助走がつき始めた”という手応えを感じています。直近のデータだと、日本国内で9000件が「Airbnb」に登録しています。これは前年比で約3倍。成長率は全世界でトップです。
ですが、そもそも絶対数が少ない。パリはたった1都市で4万件です。その点、日本にはまだ840万件の空き家があると言われています。
加えて、日本を訪れる観光客は増えていく一方。成長余地はまだあると思います。2015年度のAirbnbの注力市場に東京が挙がっています。ゆくゆくはパリレベルまで持っていきたいと思っています。
──日本市場の独自性は。
これは日本に限らずAirbnbがグローバル共通で言えることなのですが、日本のホスト(実際に宿泊者に部屋を貸すオーナー)は、20代から70代まで層が幅広く、属性もまったくバラバラなのが特徴。