ご褒美で子どもを釣ってもいいのですか?
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注目のコメント
皆様、貴重なコメントありがとうございます。フライヤー教授の研究は、実に90億円以上のお金を使って、米国の主要5都市で行われたという非常に壮大な研究でした。この後、「ヤバい経済学」のレヴィット教授らもこの分野の研究に参入し、「お金」以外の外的インセンティブについての研究を行っています。また複数の方がご指摘になっている「褒める」というのも非常に重要な外的インセンティブなのですが、これについては紙面の関係上、こちらでは書きませんでした。しかし「褒め方」にも重要な「コツ」があります。ご興味があれば、6月18日に発売の「学力の経済学」を是非お手にとってご覧ください(笑。一見、学力や学歴偏重の本のように見えるかもしれませんが、実は「学力」以外に大切なものがあるということが本書で私が一番言いたかったことです。教育経済学の研究に関心を持っていただき、しかも多くのコメントを頂けて本当に嬉しいです。
今回紹介されている研究は、報酬を与えるアウトプットの対象が間違っていると考えます。
この研究で使っている学力テストのように、たまにしか行われないテストを報酬の対象にするのではなく、日にち単位、週単位で行われる小テストのようなものの得点をアウトプットとして報酬を与えれば、効果は得られた可能性が高いです。なぜなら、日々得られるアウトプットが次のインプットにつながるからです。アウトプットとインプットを分けて考えるのは、あまり意味がないでしょう。
また、報酬の対象を順位や得点の絶対値に限定すると、学力の低い生徒はモチベーションを失ってしまうので、各個人の得点の伸びに対しても配慮することも重要です。今回の研究ではそちらへの配慮もなかったようなので、報酬の効果が少なかったことも考えられます。
今回の研究に限らず、教育研究の結果は教育のやり方や調査対象に大きく影響されるので、つねに疑いの目をもって解釈されることをお勧めします。地方の小さな八百屋の息子に生まれ、何かにつけて「手伝いをしたら何とか」方式で育った私。小学生のころから「働かざる者食うべからず」というのが我が家の教え。
平日は店じまいの手伝い。週末は朝の店だし、店番、夜の閉店作業、自動販売機の補充。長期休みは父が行く成果市場に同行して荷物の運搬手伝い、取引の市役所や小学校への配達。ひと箱10キロのミカン箱を運ぶのは、小学生にとってはなかなかの作業。
我が家では小遣いやゲームソフトは労働の対価。時給100円前後ですが(笑)。
釣っちゃだめなら、ワタクシの人生が全否定される。ちょっと何かしたから数千円とか何万円相当とかの甘やかしはダメだけど、努力や労働に対する常識的な対価はありだと思う。
ま、児童福祉法違反ですが、今風に言うなら(笑)。