世界都市戦争。東京は、未来都市のエースになれるのか?

2015/5/23
自動運転、電気自動車などがもたらす「モータリゼーション2.0」は、自動車業界のみならず、都市のあり方そのものを変える。今後20年の間に、世界中の都市は、交通インフラの再設計を迫られるだろう。企業、政府、市民すべてを巻き込んだ、世界の都市戦争が始まるのだ。この世界都市戦争の中で、東京は「モータリゼーション2.0」を先取りする都市となれるのか。2020年の五輪で世界を驚かすことができるのか。次世代都市としての東京のポテンシャルと課題を探る。
2020年。東京オリンピックの開催に向けて、東京の街が大きく変化している。公共交通や道路といったインフラ関連の整備が進み始めたことは、オリンピック村が建設されている東京の湾岸部を通ると特に実感できる。
ただし、われわれが実際に生活するうえで道路や公共交通がどう変わっていくかといった、ビジョンや具体像は、いまいち伝わってこない。
そこでこのレポートでは、2020年、そしてその後に東京がどう変わるのか。そして、東京がロンドン、ニューヨーク、パリ、シンガポール、香港といった世界の都市に勝つために何が必要なのかについて考えてみたい。

ロンドンはなぜ世界一の都市になれたのか

近未来の東京を占うにあたって、まずは2012年にオリンピックが開催されたロンドンに目を向けてみよう。