タイ政府、日本との高速鉄道事業承認へ
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タイの高速鉄道バンコク=チェンマイ線計画について、タイ政府は来週にも承認。日本の支援を受けた事業で120億ドル相当。着工は最速で2016年4−6月期から。(※5/24 01:00末尾に追記あり。5/21 08:17 末尾に追記。東南アジアでの他の鉄道プロジェクトに関連したピックへのリンク。)
これは大きい。首都と第二都市をつなぐ高速鉄道の潜在需要は高い。今後は事前調査や入札等のプロセスがあるけれども、日本企業が受注できる可能性が高い。
中国は他の路線を開発。中国が先に鉄道案件をとったとき、日本はダメだなという論調が一部にあったけど、首都と第2都市を結ぶ路線に焦点を当てるのは妥当な戦略。全体をみて評価すべきなのに、中国が先に何かやると、「ほら日本出遅れてダメじゃん」、という安易な思い込みは良くない。
中国が支援する鉄道案件は下記の報道が地図付き良くまとまっている。ラオスの首都ビエンチャンの国境向かいのノンカイから、『バンコクを通らず』にシャム湾に抜けるというルート。なので、日本にとってはチェンマイ=バンコク線を支援する方が直接的な利益が大きい。中国と調整をした訳ではないだろうけども、結果として日中がタイと周辺諸国を含めた大メコン圏の開発支援を分担した形。
http://www.theguardian.com/world/2014/aug/01/thailand-junta-approve-china-rail-link-23bn
この2つの鉄道プロジェクトのおかげで、5〜10年もすればタイ・中国・メコン諸国の鉄道交通・物流が劇的に改善する可能性がある。当然、この地域に多く進出している日系企業も裨益することになる。
(追記)なお、在京タイ大使が交代。外務副大臣を表敬し、鉄道等インフラ開発が話題に上った。下記ピック参照。
https://newspicks.com/news/974414
(追記2)マレーシア・シンガポールとミャンマーでも鉄道プロジェクトに動き。下記ピック参照。
クアラルンプール=シンガポール線。2022年頃の開通。往復運賃は1.3万円程度か。
https://newspicks.com/news/961282
https://newspicks.com/news/965287
ミャンマーで鉄道信号を日系企業が受注(日立+三菱商事)。さしあたり24億円。ヤンゴン=マンダレー線全部ならば100億円規模。
https://newspicks.com/news/968961
(追記3)
どのようなスキームになるのか分かりませんが、いくつか留意点。「新幹線」かどうか。そこまでのものではなくてよい、という考えはタイ側にあります。また、チェンマイは大阪などに比べれば規模が小さいですが、周辺県や近隣国のハブとして機能する可能性があります。そのため、チェンマイ単体の規模よりも周辺も合わせて考えていった方が良いかと思います。コスト回収は課題ですが、政府保証等で対応する選択肢があります。日本の車両とシステムが採用されるのだろうか。最終的には中国最南端の昆明から、バンコク、クアラルンプールを通ってシンガポールまで超高速鉄道で結ぶ計画もあります。