スウェーデンNATO加盟、ハンガリー議会承認-最後の障害クリア
AI要約
- 1スウェーデンがNATO加盟を承認し、ハンガリー議会の承認で最後の障害がクリアされた
- 2スウェーデンはウクライナ侵攻を受けてNATO加盟を申請し、ロシアの将来的な脅威に備える意向を示した
- 3スウェーデンのNATO加盟は200年の中立政策からの重大な転換であり、各国の承認までのプロセスは順調ではなかった
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注目のコメント
スウェーデンほどロシアと長く戦い続けてきた国はあまりありません。
17世紀初めまではスウェーデンが優勢で、イングリア戦争ではスウェーデン軍がモスクワを占領し、ウクライナを独立させようとしました。
しかし、18世紀初めには、ピョートル大帝との21年間に渡る大北方戦争で、スウェーデン・ウクライナ連合軍はロシア軍に敗れました。
19世紀初め、ナポレオン戦争ではスウェーデンは再びロシアに敗れ、フィンランドがロシアの支配下となりました。スウェーデン国王には、ナポレオン麾下のベルナドット元帥が据えられました。
20世紀になり、もはやロシアと正面から戦う力を失ったスウェーデンは、重武装中立の路線を選択しました。
ロシア革命の混乱期に独立を果たしたフィンランドも、やはり同じ路線を選択しました。
NATOに加盟して安全保障条約を結ぶ、という選択肢も当然検討され続けましたが、ロシアの脅威は、NATOへの加盟をためらわせました。
21世紀も20年を過ぎ、ロシアの脅威は増した、ともいえるし、今に限っていえば、ロシアはウクライナにかかりきりになっている、ともいえます。
NATO諸国が積極的にロシアと対決する機運もできました。トルコとかハンガリーは、ロシアと一戦交えようという意思は乏しい、もしくは無いですが。
スウェーデンから見て、NATOに加盟するという賭けには絶好のタイミングともいえます。
スウェーデンはいかに危機に対処してきたか――すべては自国の安全保障のために
https://synodos.jp/opinion/international/9119/#google_vignetteナポレオン戦争後の1814 年に締結したキール条約以降、200年以上戦争を経験することなく、平和を保ってきました。そんなスウェーデンでも、世界情勢の中で、市民の考えに変化が見られました。2022年9月に同国を訪問した際、ロシア-ウクライナ戦争による国内の治安悪化が社会問題として、多くの市民に不安が見られました。
「民主主義によって平和を守り抜いてきた」と語るスウェーデン人も、昨今の国際情勢の悪化には目に見えた危機感を感じています。私たち日本人も、アジア太平洋地域をはじめ、現実的な危機に対して真剣に考える時が訪れたように感じます。