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一言で言うと、ASEAN+スリー諸国で外貨準備不足を補い合う組織です。各国ごとの拠出金に応じて、投票権率が決まっていて、日中はそれぞれ27.41%持っています。引き続いて韓国が14.77%。ASEAN諸国は4%台以下。つまり、プラススリー諸国が鍵を握っています。

流れは次の通り。仮にどこかの国が外貨準備不足に陥ったとき、AMROは融資が必要がどうか、ASEAN+スリー諸国に勧告的意見をだします。その上で投票にかけられ、投票権率が2/3を上回れば、融資をすることになる、というメカニズム。

ASEANをみる場合、プラスなんちゃらはとても重要です。なんちゃらの国々は、対話国、英語ではダイログ・パートナーと呼ばれます。ASEANだけで対応仕切れないことは、プラスなんちゃらの枠組みに持って行き、関係国の協力を引き出す。でも、主導権はASEAN(ドライバーズシートにはASEANと外交では表現すること多い)という枠組み。長年かけて90年代の終わりぐらいから積み重ねられてきた方式で、AMROはそのパターンの一つとも位置づけられます。ASEANは、域外大国の意向と自分たちの意向を、うまいこと落としどころを付けて発展してきた組織です。中国や日本の意向で、そんなには右往左往してきていません。

たしかに、この組織、意外と知られてませんね。私は外務省で働いていたときに東南アジアを見ていたので、存在は認識していましたが、後になって金融関係者や経済メディア関係者でも知られていないことを知り、驚きました。

役所は何もやってないとよく批判されますが、AMROは日本による貢献が大きい組織です。新宮沢構想やチェンマイイニシアティブと通貨危機後、日本はASEANの早期経済回復とセーフティーネット構築に貢献したことは、正当に評価されるべきでしょう。

設立以外は表には目立った動きが見えないですし、リサーチ内容は一部を除いて、ASEANプラススリー諸国の政府関係者と関係の深いシンカタンクだけしか見られませんから、ニュースにはなりにくいですね。

シンガポール通貨庁と同じ建物にあり、トップ以外でも日本人の方が活躍中です。人材公募もしており、日本の若手~中堅エコノミストがもっと入るといいなと思います。

日中の綱引きがないとは言いませんし、設立当初はこの記事のような話はありました。しかし、この組織は下手に政治色を帯びると中国にとってもマイナスです。今後は、淡々と仕事をする組織と位置付けられて行くことになると思います。あくまでASEANプラススリーの主役はASEANというのは、ASEAN対話国でも認識されていることです。

AMROについてご興味のある方は、オリジナルのホームページで設立の経緯や活動概要、投票権率などについて一読しておくことをお勧めします。http://www.amro-asia.org

追記:ODAが使用されていると中国メディアが書いているのは、たぶん、日ASEAN基金から?ちょっと調べてみます。それと、シンガポール国内法人から国際機関化するという話、私も聞いていましたが、ほんと、実現すると良いなと思います。このコーナー、こういう記事を待っていました。中華圏視点以外からもお願いします。

追記2:日中韓はバイラテラルだといろいろありますが、ASEANのダイアログパートナーとしてのプラススリーの枠組みでは、結構いろんな協力を進めてきています。ASEANが東アジア3カ国と結果的にバランサーになっている部分もあります。プラススリー協力については、外務省ホームページ参照。http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/asean/asean+3/index.html
マスメディアもこういうのをきちんと読んでから報道して欲しいな・・・