トランプ氏、NATO同盟国「守らず」 ホワイトハウスは非難
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主な問題は2点、
① 「EUが金を払わなければ米軍はEUを守るためならロシアと戦わない」と言った訳ですが、こういう手の内をさらすようなことは自ら弱点をつくることになります。
これではロシアにGoサインを出すようなものです。
「払われる金額も含めて状況次第だ」と言った方がまだましです(それでもある程度手の内をさらすことになりますが)。
「ロシアがEUに攻めこんだら米軍がロシアと戦う可能性がある」と言うだけならタダなのですから、言うだけでも可能性をチラつかせておけばいいことです。
② 米軍が外国で戦うというのは、米国人の生命が失われる、ということなので、金に換えられるものではないです。
金も大事ですが、米国にとっての安全や譲れない価値につながる意義が無ければ、米軍が戦うかどうかという話をするべきではありません。
トランプ氏は、つまりは外国には興味のない人です。目の前の聴衆に受けるかどうかしか考えていなかったのでしょう。
こういうあたりは、大多数の米国人の「庶民感覚」を理解している人です。
しかし、国民全体の命や生活に責任を持つ立場である以上、庶民感覚で大統領や首相をやるべきではありません。トランプの発言だから問題にはなっているが、他国を本当に守ろうとするのか、条約で規定されているからその義務を果たすのか、というのは常に問題になる。こうやって最初からはっきり守らないというケースは珍しいが…。
2016年の選挙戦でも似たような発言がありましたので、大きな驚きはありません。ブリュッセル駐在としてトランプ政権時のNATOの取材を続けましたが、当時もトランプ氏の言動でNATO内部に政治的な混乱が生じる一方で、即応部隊の東方展開など軍事的な協力は強化された側面もあります。ただし、それはNATOの基本的価値を重視する当時のマティス国防長官らの存在があったがゆえ。今回もし再選されれば暴走を止められるのか...という不安は消えません