NokiaとEricssonはなぜケータイで負けたのか
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技術好きなPickerは是非読んでほしい記事。技術者でない自分の判断は間違えているかもしれないが、自分にとっては良記事と思ったし目から鱗だった。皆様の意見も欲しい。
興味深いと思ったのは以下。まず立ち上がるためには、NokiaもEricssonも交換機・基地局・半導体をセットで開発した。やはり立ち上げるためには一貫統合してコンセプトを作る必要がある印象。そして、普及するために標準化を進めたことと半導体は自社でやらなかった故に、他社の拡大にもつながったという点。これはブラックボックスがNokia・EricssonからQualcommなどに移転したと言えるだろう。これらを示唆するのが2ページ目の特許と規格策定の分布図と、現在のシェアの状況。
Nokia・Ericssonは今は基地局ビジネスがメイン。本記事は携帯端末側に焦点を当てているが、規格創った故に今も競争力を持っているとも言えるだろう。そして前述の分布図で同じ軸上に乗っているのがHuawei。ソフトバンクなども使っているが、Nokia・Ericssonが間違いなく一番警戒している相手だろう。
併せて、Qualcommなどに価値移転したのと同じように、それ以外に通信モジュールは複雑化している。村田製作所は、コンデンサの単品売りからどんどんモジュール化進めている=ブラックボックス化を進めている。これは歴史に倣えば、さらに価値移転が進んでいくことを示唆していると思っているし、今の驚異的な業績はそれが順調に行っていることを示唆していると思う。中をめちゃくちゃ駆け巡って体感した自分としては、だからこそ、次世代の策定スピードは落ちている、それを感じます。明らかに次世代の策定の遅れ。未だにCDMAの延長線上。これは目を背けてはいけない事実です。
別にNokia、Ericsson、NEC、富士通を擁護するつもりはないが、交換機はさておき、BTSとその制御装置、それらとハンドセットはひとつの技術でつながる。
ドコモのよかった部分はそこを研究所がよく分かっていて、PDCの二の舞を踏まないよう、自社の特許も標準化して皆で3Gを作って、検証した。
私も少しばかりだが、LTEに関わらせていただいた時に感じたこと。
Appleやシャオミを賞賛するのももちろんよいこだけど、次世代の無線技術は誰が担い、誰が主導していくのか、接続性は最初は担保するのか?
結構大変なこと。(Qualcommはある意味そこを期待されてますが)
だからこそ、NPの短期的なAppleすげー、シャオミすげーはたまに違和感を感じるのです。彼らは作られた技術の利用者。
技術は誰かが作らなければ、革新はない。>>製品開発の実装レベルに関して、秘匿化されたノウハウや「排他性が高い通常の特
>>許」も戦略的に先行企業はポートフォリオのなかに構築する必要があるということで
>>ある。
とても面白い記事でした。この部分が非常に難しいと感じます。Nokia等の立場になってみると標準化直後の段階ではアウトソースするという行動が合理的に感じられたでしょうし、実際に短いスパンであればそれは有効に働いていたと思います。
しかし、技術進化(代替わり)が起こると競争原理が進化していく。これは後からは分析できるかもしれませんが、その時に判断するには中長期的かつ広い視野と技術の深い理解が必要になりそうです。
今は半導体やデバイスメーカーはモジュール化による利益率の向上と技術のブラックボックス化が主流ですが、これも数年後には変わるかもしれません。半導体デバイスの材料自体かもしれないですし、アーキテクチャが変わる可能性もあります。あるいはデバイスやモジュールという枠を超えて、信号処理の方法やデータ処理のアルゴリズムが支配的になる可能性もありそうです。
技術をマネージする立場の人は、NokiaやEricssonがそうであった様に時代や技術の進化に合わせて立ち位置を変えたり。Qualcommが成し遂げた様な新たな優位性を築くといった選択肢を常に考えながら進めていかないといけないですね。