【相次ぐ倒産】過酷すぎる価格競争が「給食制度」を脅かす
9月1日、委託先の事業者と突然連絡が取れなくなったときは、とにかく驚きました。
仕方なく、朝食は教員がスーパーやドラッグストアを回ってパンなどを調達し、昼と夜は、近隣のお弁当屋さんに提供してもらうようにしました。
- ある日突然「給食ストップ」
- 差別化が難しい給食
- 無理をさせる入札制度
- 「給食格差」が鮮明に
- 夏の給食室は「40度超え」
- 「給食費無償化」は逆行トレンド
9月1日、委託先の事業者と突然連絡が取れなくなったときは、とにかく驚きました。
仕方なく、朝食は教員がスーパーやドラッグストアを回ってパンなどを調達し、昼と夜は、近隣のお弁当屋さんに提供してもらうようにしました。
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2023年、給食委託事業者の破産や撤退が相次ぎました。
少子化や物価高など、その要因になり得そうな事象はいくつか思い浮かびます。
しかし、給食業界の内側は詳しく取材すると、他の業界とは異なる「特殊な」事情が浮かび上がってきました。
学校に行けば栄養価の高いお昼ご飯が食べられる。そんな幸せな「常識」が、このままでは叶わぬものになっていくかもしれません。
子どもに満足なご飯を食べさせられないほど貧しい国なのでしょうか…。
税金を原資とする場合、競争入札や民間委託ではどうしても価格が重要視されてしまいます。出すべきものを出せる仕組みにしないと、行政サービスの質の低下は他の行政サービスにも波及します。
ホーユーの倒産のニュースを見て、改めて以前フジテレビで放映されていた学校給食をテーマにしたドラマ『chef』を見ました。
このドラマはフレンチの三ツ星シェフが訳あって失脚し学校給食の料理を手掛け、給食制度の数々の予算や栄養価、食材の制限を受けながらも子どもたちに『最高においしい!』と言ってもらえるための給食を作り、時にはアレルギーの子どもにも違った食材で同じ味のものを提供したりしながら、給食が学校生活になくてはならない楽しみのひとつとなっていくものでした。
こんなドラマみたいにうまくいかないことは百も承知ですが、本質的にはこのドラマの言う通りで、効率やコストのことばかり見るのではなく、子どもたちの食育や健康、成長を考えつつ、遊びや勉強と同じく給食も『楽しみ』になるような価値基準にした方がよいと思います。
税金の使い道がこうしたところに適切に振り替えられるならふるさと納税のような制度を考え、それぞれの地元の食材を有効活用したり、各地方で食材や調味料を交換しながら子どもたちに地方の味を知ってもらい、家族旅行の候補地を子どもから提案してもらうということもできるかも知れません。
給食をコストと見るのか、未来ある大切な子どもたちへの食育と見るのか、その視座によって判断基準は全く異なると思います。
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