高浜原発、仮処分の「事実誤認」を巡る応酬 | 原発再稼働の是非 | 東洋経済オンライン
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この判決は全く信じられないくらいお粗末な判決です。要するに、原子力規制委員会が関電に対して高浜の想定の地震というものを500ガルとか700ガルにしなさいとか色々言っていたわけです。そして、仮に700ガルに想定したとしてそれをクリアした。だから、規制委員会のほうはOKなわけです。
ところが裁判長は「しかしながらそれ以上の地震がすでに起こっているので、また起こらないとは言えない。従って人格権を侵害している。だから再稼働は認められない」と言っている。
この裁判長は前にも同じような理由で止めていますが、今回は実効性があるので、関電は動けなくなってしまったのです。
この 「人格権」の理屈は、「私のところはトラックが飛び込んでくる可能性はゼロではないので、トラックはこの近辺には寄らないでくれ」と同じです。
文明社会っていうのはあらゆるリスクがあるわけです。おかしな人間がおかしなことをやるというわけではなく、なんかの時にそういうリスクというものは出てきます。そのリスクに対して、人格権を認めないからトラックを運転してはいけないと言っているんです。
これは完璧な誤解に基づくものです。なぜなら、地震によって原子炉が壊れた例はないからです。柏崎刈羽で変圧器が壊れたことはありますが、地震に対しては全部スクラムできています。
福島第一の場合は、外部電源が止まって非常用発電機が動き、その後、津波が来て、水没し、非常用発電機が止まったわけです。つまり地震が原因ではないのです。政府は福島第一の直接的な原因は津波である、地震に対しては全部スクラムできているという上述のようなことを国民に説明していません。
また、柏崎刈羽の時は、1200ガルという想像を超える地震の加速度を計測していますが、それでもスクラムできています。従って、今回の議論はまったく意味をなさない議論です。この議論がまかり通る理由は国が福島第一の問題を地震であると扱っているからです。
私は関電にこの議論は地震の議論にしたらダメだと言っているのにもかかわらず、地震の議論にしたわけですよ。もともとはと言えば、規制委員に地震オタクと活断層オタクがいたのがいけないわけです。それを許した規制委員の問題でもあり、政府が国民に対し福島の説明をしていない問題でもあります。で、国民は「よかった」と、こういうふうに思う人が多い。これは非常に不幸なことです。