【超・劇場型】メガバンクから市長に。「石丸伸二」とは何者か
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京大卒、三菱UFJでアナリスト、NY駐在4年を経て市長へ。SNSでの抜群の発信力、極端な劇場型、身を切る改革、、、というキーワードを聞くと、誰しも国政進出を連想するのでは。取材では去就についての小林記者の直球の質問にも正面から答えてくれています。
YouTubeで見る以上に切れ味鋭く、綺麗事をきちんと貫こうとする人なのでは、という印象を抱きました。
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なお、取材した前日に、下記訴訟の判決が出ました。
安芸高田市に33万円賠償命令 市長の言動、名誉損なったと認定
https://newspicks.com/news/9377915/
石丸市長が「山根温子市議から恫喝を受けた」という趣旨のSNS投稿をしたことについて、山根議員から名誉毀損の訴訟を起こされていました。取材で判決についての受け止めを市長に聞いたのですが長さの関係で動画には入らなかったため、以下に市長の所感を要約して記します。
・原告が求めた石丸個人の賠償ではなく安芸高田市への賠償命令になった点など、多くの部分で原告の主張が棄却された。
・事実認定についても「恫喝の事実があったとは認められない」という判決で、「恫喝の事実はなかった」とはしていない。
・密室での出来事で記録もなく不利な裁判だったが、市民に「機嫌を損ねたらなんでも反対するような議会である」ことを示すという当初の目的は完遂した。安芸高田の石丸市長にインタビューしてきました。
SNSで最も注目を集めた市長(というか政治家)と言って過言ではないと思います。
市政のことから市長ご自身の進退までいろいろ聞いたのですが、どの質問にも丁寧かつ分かりやすく答えていただきました。
安芸高田市は、中心部は活気があるものの少し離れると山が多く人口密度がぐっと低くなります。
人口2.6万人の町にも関わらず、市長の定例記者会見の動画は再生回数が300万回を超えるものもあります。
市長は安芸高田を今後どうしていきたいのか、また国政に進出する可能性はあるのか…
ぜひ動画でご覧ください。「劇場型政治」というのは、古くからあるいい方で、たとえば米国人のクリフォード・ギアツという人類学者は、19世紀のバリ島の劇場型国家について記述しています。
政治が神事の類であった頃には、統治には自ずと劇場的な装置を必要とした、というのは世界中の歴史に共通していることです。
20世紀になり世俗化が進むと、神事も劇場も政治には必要ない、という考え方が広がりました。科学的な行政や経済政策にとってはむしろ有害無益なものである、という考え方も広く唱えられました。
一方で、人は劇場にひきつけられる、ということはあまり変わっておらず、20世紀になってもヒトラーや毛沢東は、そこを大いに利用しました。
現在も、「トランプ劇場」などといわれるように、劇場型政治が帰ってきています。
劇場型政治が悪いというよりも、肝心なのは、劇場型政治によって何を実現するか、でしょう。
20世紀に期待されていたのは、劇場的エンターテイメントなどなくても、科学的に行政や政策を理解して、政治に参加する有権者でした。
それは無理だった、というのが、もうハッキリしています。そんな有権者は全体の0.1%もいなかった、ともいえます。
有権者に期待できない以上、劇場型政治で政治参加を促すしかありません。
明治維新が浮世絵に描かれたように、毛沢東の抗日戦争が京劇や映画で描かれたように、アニメやドラマも動員してでも、政治参加を促すしかありません。現代では、ソーシャル・メディアの方が物を言うでしょう。
より長期的には、民主主義の設計を見直していく方がいいでしょう。