ブタ積み理論は正しいのか?異次元緩和で融資は増えたのか ~ 稀に役立つ豆知識
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注目のコメント
自分も完全にブタ積み理論を信じていました。このような見方があるのですね。
ただ、貸出率は増えていますが、異次元の金融緩和によるマネタリーベース膨張と釣り合うのかは謎ですよね。
また、日銀への預け入れ利率がプラスなのも知りませんでした。なぜプラスなのでしょう?
スイス中央銀行はマイナス金利を設定しましたよね。(スイスフラン高を予防するため)
【追記】
今期早稲田で「金融経済論」を担当されている東洋大学教授の益田安良教授に質問させていただきました。本当に感謝致します。
簡潔に言うと
『量的金融緩和によりマネタリーベースは激しく増加したが、銀行貸出・マネーストック(世の中に出回るお金の総量)はそれに「見合った」伸びを示していない』
とのこと。つまり、異次元緩和によって融資が増えたとは言えないということですね(若干は作用したのかもしれませんが)
教授が量的金融緩和懐疑派だからということもありますが、自分もそう思います。
貸出率が「見合った」伸びを示さなかった理由として
・貸出率の上昇は金融政策とは別物の、経済成長率の上昇によるところが大きい。
・借り手(企業)の資金需要が乏しい。(企業の期待収益率が低い、内部保留が過剰で外部資金需要が乏しい)
・ゼロ金利政策の長期化により貸出利率も0%近くまで下がり、信用リスクに釣り合わなくなってしまったため、貸さずに日銀の当座預金にしてしまう
ことなどが挙げられるそうです。
また、日銀の当座預金利率0.1%について。
プラスの付与だと“ポートフォリオリバランス効果”(日銀に預金するより、投融資しよう!と促す効果)が薄れてしまいます。
日銀は銀行から国債を買い取りやすくする、つまり銀行に対して国債を持ってるより国債を手放した方がもうかる状況を作り出す、ことによって買いオペを円滑に進めるためだけにプラス金利にしていると教授は予想されていました。なので、手段(国債を手放させる)が目的化してしまい、お金が市場に流れるか否かは二の次になってしまっているので本末転倒です。教授は愚策とおっしゃっていました。
個人的には、今までアベノミクス第一の矢“金融緩和”だけは順調に機能してきた、と考えていましたが、株高や円安は異次元緩和に対する期待の先行と、別要因によって織り成されているのだろうと考えるようになりました。
【追記終】