[ビスマーク(米ノースダコタ州) 7日 ロイター] - 米ミネアポリス地区連銀のコチャラコタ総裁は7日、ノースダコタ州ビスマークで講演し、インフレや雇用が正常水準に戻るまで数年かかるとして、連邦準備理事会(FRB)は利上げを2016年後半まで遅らせるべきだとの認識を示した。

その上で、17年末までに徐々に2%へと引き上げるのが妥当とした。

連邦公開市場委員会(FOMC)の中でもハト派として知られるコチャラコタ総裁は、金利引き上げは「遅く(始めて)ゆっくり」進めるべきだと主張。講演後には記者団に対して、「(当局者が利上げについて)発言すること自体が金融政策の引き締めだ」と述べ、金利上昇が近いとの見方に市場が傾き、経済成長や雇用の勢いが失われることに懸念を示した。

イエレン連邦準備理事会(FRB)議長を含むFOMCの他のメンバーの大半は、労働市場が改善し、現状の超低インフレ状態に物価上昇圧力がかかり始めるとして、今年中に利上げを開始すべきだとしている。FRBは2008年12月以来、事実上のゼロ金利を維持している。

よりタカ派的なFOMCメンバーの何人かは、早ければ6月にも利上げを始めるべきだとしている。長く待ちすぎると、望まない急激な物価上昇を避けるために非常に早いペースで金利を引き上げなければならなくなると警告している。

コチャラコタ総裁は「15年に利上げすることが間違いだとの考えに変わりはない」とした上で「雇用や物価の状況の鈍さを考えると、04-06年(の局面)よりも、利上げ開始を遅くし、引き上げペースもゆっくりとすべきだ」とした。

総裁は、短期金利は徐々に3%ないし3.25%に上昇すべきだとしたが、少なくとも18年まではそうすべきではないとした。ほとんどのFOMCメンバーは、17年末までにこうした水準に達するとみている。

昨年は雇用が著しく改善し、米国の失業率は5.5%まで低下したが、物価上昇率はFRBが目標とする2%を何年も下回っている。総裁は、労働市場が金融危機以前の「正常水準」に戻るまでには、昨年のような改善が少なくともあと3年間必要との認識を示した。

インフレ率についても2018年までは目標の2%に達することはないとした。

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