コンセントタップから大型4Kテレビまで、拡大する製品ターゲット
シャオミ、新製品5機種を発表。怒涛の勢いで周囲を圧倒
2015/4/7
4月8日の米粉節[訳注:2012年以来開催されている、シャオミのファン・フェスティバル。「米粉」(ミー・フェン)は「シャオミのファン」の意味]を目前に控え、シャオミは女性向け携帯「女神スマホ」、格安スマートフォン「紅米2A」、コンセントボード、体重計、そして大型テレビという、一挙に5つの新製品を発表した。常に人を驚かす製品ラインナップが得意なシャオミの、ユーザーの「ニーズ」「かゆいところ」を把握する能力を、またうかがい知るところとなった。
「女神スマホ」で女性マーケットを狙い撃ち
シャオミは今回、新たにスマートフォン2機種をリリースした。ピンク色のボディに16GBのストレージを持つデュアルSIMタイプの「シャオミ NOTE」は、2499元(約4万8000円)だ。そしてもう一つ、599元(約1万2000円)の「紅米2A」だ。
テクノロジーが生活にますます密着するなか、より多くの企業が女性市場の潜在的な大きさにターゲットを定めつつある。アップルウォッチのプロモーションなど、テクノロジーとトレンドが結びついた最先端のものといえる。シャオミは今回、ファッション誌「時尚芭莎」(中国語版「ハーパーズ バザー」)と提携し、女性向けフラッグシップ製品を作った。まさに「テクノロジーにおしゃれなジャケットを着せる」というチャレンジであり、女性マーケットを探るための最初の一歩だ。
また、シャオミと「時尚芭莎」は共同で「バザー公益チャリティー基金」を創設し、女神スマホの第1ロットの販売1台ごとに50元(約1000円)を寄付する。合計100万元(約2000万円)の寄付が、貧困女性の乳がん予防支援に投じられる予定だ。
もう1台は高いコストパフォーマンスを誇る「紅米2A」。CPUにL1860Cを採用し、1.5GHzコアを4つ、そして独立した省電力コアを1つ搭載している。また高性能デュアルコアGPUのMali T628MP2、4.7インチのIPSディスプレイ、800万画素のバックカメラを採用したほか、4Gメモリ、デュアルSIM同時待ち受け対応を実現している。価格は599元だが、米粉節当日には499元(約9600円)で販売される。これはシャオミの製品ラインナップの中でも、最も安いスマホだ。
この他、米粉節では、メモリ2Gのシャオミ4を200元値下げ、特別価格の1699元(約3万2800円)で販売されることになっている。
コンセントタップ:スマートではないハイテク製品
コンセントタップはハイテクなスマート製品ではないが、スマート機器のユーザーにとってもっとも基本的な充電を支えてくれるものだ。
「中国では年に4億個のケーブルタップが販売されていますが、誰もこの問題に真剣に取り組もうとしてこなかったですよね。なぜでしょう?」
シャオミの雷軍最高経営責任者(CEO)は昨年、コンセントタップに関する不満をメディアにもらしたことがある。シャオミは「突破電気」やベンチャーグループと協力して、2000万元(約4億円)を投じて青米公司を設立した。そして、1000万元(約2億円)近い研究開発費を使い、雷CEOに「芸術品のように精緻」と言わしめたシャオミ・コンセントタップが誕生した。このタップにはこんな特徴がある。
・子どもが物を突っ込めないよう安全ガードを備えたコンセント口を3組、USB接続口を3組配備。容量は3.1Aで、2Aの急速充電にも対応している。
・過電流をシャットダウンするセキュリティスイッチ付き、750度の難燃性を実現。
・ペンケース・サイズで携帯に便利。
・電圧は110〜220Vに対応。世界中どこでも使用できる。
コンセントタップは自宅、家族旅行、オフィスにおける必需品である。ターゲットユーザーはきわめて広い。49元(約950円)という価格もあいまって、USB接続口がない、スーパーの安売り品とも戦える競争力だ。
華米が作ったシャオミ体重計、2000円也
次は、華米科技による特製シャオミ体重計だ。白色硬化ガラスに覆われ、ディスプレイが埋め込まれている。161個のLEDライトが組み込まれ、中国でよく使われる重量単位の「斤」や「キログラム」「ポンド」の3つの計量単位による表示が可能。100グラム単位の精度を誇っている。さらにスマホと連携させることで、最大16人の体重管理が可能となる。体脂肪計などの複雑な機能はないが、99元(約1900円)という価格には十分な機能だろう。
雷CEOは、この製品はシャオミ製ではないと強調した。シャオミはあくまでスマホなどの中核製品の生産に専念し、他企業と連携してエコサイクルをつくり、業界全体の進歩を進めていくと述べた。
55インチの大型テレビが、ついにあなたのものに!
先日リリースされた40インチのシャオミテレビ2は、テレビは欲しいが予算のない若者たちのニーズを満たそうというものだった。ならば、今回発表された55インチ大型テレビは、より多くのユーザーが待ち望んでいた製品だろう。
この大型テレビには、4コアのスマートテレビチップセット「MStar6A928」、GPU「Mail-760」を搭載、H.265方式の4K放送に対応している。フレームレートは60FPS、サムスン製4Kディスプレーを採用した。デザインをみると薄い本体が印象的だ。6ミリのアルミ製ベゼルで、テレビの厚さはわずか15.2ミリ。802.11ac方式のWi-Fi、USB3.0に対応しているほか、中国で初めてHDMI2.0に対応した。
音響ではサウンドバーと新たな低音独立音響システムを搭載している。6.5インチの低音スピーカーに加え、6.5インチのパッシブ・ラジエーターを備えたことで、より豊かな音響表現が可能となった。ドルビー、DTSの特許を使用している。
またコンテンツ企業の買収など10億ドルもの投資を行ったことで、シャオミテレビから利用できるコンテンツは80%も増えた。しかも、ユーザーからの年間使用料徴収は行わない。
この55インチのフラッグシップ機の発表によって、シャオミテレビはローエンドからハイエンドまでラインナップをそろえることに成功した。
シャオミ自身の製品ラインナップ、そして他社と協力するスマート・ハードウエア・プラットフォームの充実に伴い、シャオミの「びっくり型」製品ラインナップが拡充されて老若男女すべてをカバーし、生活に密着した製品や品質とデザインを重視した製品をターゲットとするものとなった。これらの新製品は4月8日の米粉節から発売される。
(執筆:韓雨/ifanr.com 翻訳:高口康太)
※本連載は毎週火曜日に掲載する予定です。
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