クリエイティブ思考の邪魔16リスト

「クリエイティブ思考」の邪魔16リスト#5

多様な人材で異なる能力をうまく組み合わせるべし

2015/4/6
毎週1回、合計16回にわたり、学術書的な高度な専門学ではなく、日ごろの実務に基づく体験を元に「クリエイティブ思考の邪魔16リスト(16回やるから)」と題して、16の異なる視点から邪魔するものを紹介します。
#1:「俺はクリエイティブではない」と思ってはいけません
#2:自己ブランディングに罪悪感を持ってはいけません
#3:昨日と同じことをやっても生き残れない
#4:規則に従い、思考停止状態に陥ってはいけません

マーケティングの求人を「LinkedIn」で検索してみると、表現は違えど9割は同じことについて求められているのが分かります。

マーケティングに求められる要件

・Working In Global Organizations…(グローバル組織と共に…)

・Collaborative and Cross-Functional… (クロスファンクショナルで協業しながら…)

・Need To Work Across All Of…(部門を越えて…)

どういうことかというと、「マーケティング職に興味を持ってくれてありがとう! で、君は世界にいるという認識の下、国境を越えてつながり、(いろんな部署)クロスファンクショナルチームの一員として結果を出せる人材かい?」と求めています。なぜでしょう?

理由は外見が違って見える人、言葉が違って聞こえる人、そして異なった能力を持った人と共に仕事をすることは、複雑な意志決定や、クリエイティブな考え方において重要な要素だからです。最近は経営幹部に女性を採用することで、意思決定力をさらに向上させようとする動きもありますね。

理想は台湾で大ヒットした映画『KANO 1931海の向こうの甲子園』に出てくる日本統治時代の嘉義農林学校。日本人、漢人、台湾人のそれぞれの強みを生かす形で甲子園の決勝戦まで進んだドリームチームだと思うのですが、世界に散らばる人たちと頻繁に一緒になれることはまれなので、現場では現実的ではありません。

どちらかというと、世界中の特定能力に秀でた人たちと、短期間でチームをつくって成果を出す、クラウドソーシングの考え方に近く、絶対に破られないと言われていたナチスドイツの暗号「エニグマ」を破った暗号解読チームは、まさに現代におけるクロスファンクショナルなチームだったと想像します。このチームには、言語学やコンピュータ、統計学、文学の専門家に加え、クロスワードパズルの愛好家までいたというのですから。

クリエイティブ思考の邪魔リスト5:同質だけのチームよりも、多様な人材で異なる能力をうまく組み合わせるべし。次回、クリエイティブ思考の邪魔リスト6は、「100%仕事人間」。

※本連載は毎週月曜日に掲載予定です。