なぜ、日本にとってTPPが重要か
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TPPの意義について米国の視点からのメリットは良くまとまっていますが、この論考で欠けている視点は，東アジア包括経済連携(RCEP)やASEAN＋αの貿易協定など、既存の貿易協定が貢献した役割。
日本にとってTPPは実質的な日米EPA（包括経済連携）。TPP参加国の他の国々、例えばASEAN諸国は、既に日ASEANのEPAがある。つまり、一定程度の自由化は進んでいる（下記参照）。TPPはより広く、深く自由化することが目指されている。したがって、自由貿易の「一層の促進」である。ゼロからいきなり変わるという訳では無い。
下記の外務省HPによれば、TPP参加国のうち、日本が個別にFTA/EPAを締結していないのは、カナダ、ニュージーランド、そして米国。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/index.html
発行済み・署名済み：オーストラリア、チリ、マレーシア、メキシコ、ペルー、シンガポール、ベトナム、ブルネイ（日ASEAN）
交渉中：カナダ、ニュージーランド（TPP）、アメリカ（TPP）
FTA/EPAについては、なぜか、条約締結の状況や関税撤廃率、利用率といったデータをベースに冷静に語る情報が少ない。JETROや外務省が素材となるデータをだしているのに。国内の何人かの研究者やジャカルタにある東アジア・ASEAN経済研究所（ERIA）は実証的な研究成果を出している。
