この連載について
国産EVで自動車市場を塗り替える中国事変が世界に衝撃を与えている。その火の手はアジアにも広がり出した。米国などもEV覇権戦略にかじを切る中、ニッポンのクルマの活路はどこにあるのかを描く
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あらゆるモノづくりを集結し、ソフトウエアの塊でもある自動車。
為替や景気如何で売上高40兆円を達成するトヨタ。同社がもくろむ未来のクルマの全方位なので、対象のテクノロジーがほぼ「全部入り」となります。
そういうわけで、ニュースは多いけど、整理が難しい。結果、いろいろ起きている、いろいろ大事のようだけど、よくわからない。それが自動車産業を巡る現状かと思っています。
自動車産業の変革には経営改革が必要といわれています。それはマーケティングであり、顧客セッティングであり、組織であり、ファイナンスであり、究極的にはガバナンスであり...今回は言及できなかったこともあり、来月以降の宿題にしたいと思っています。
「better は bestの敵だ」という言葉があります。EVでの競争は避けて通れないにせよ、その次の競争はそんなに先ではない気がします。アフリカが大市場になった時、それはEVなのか、とか。
脱炭素を進めるためには新型車の電動化だけでなく、既に世界で何億台も走っているガソリン車をどうするかも極めて重要。その意味では既存車にそのまま使える合成燃料への期待は大きい。
ただし合成燃料が「脱炭素」であるためには、(再エネ発電の電気で水を分解してつくる)グリーン水素と回収CO2を合成してつくらないといけない。世界中のクルマに合成燃料を安価に提供するには相当の時間がかかるが、その間にBEVが相当普及していく。まさに時間との戦い。
一方、水素エンジン車に入れる水素は既存のガソリン車にはそのまま使えない。専用モデルをつくらないといけないので「既存車の脱炭素化」には役に立たない。この点が合成燃料とは根本的に違う。同じ水素を使うなら燃料電池車(水素を使って自ら発電するEV)でいいという意見も多く、トヨタ以外の自動車メーカーは開発を止めた。ただし、水素エンジンの技術はクルマ以外にも使えるかもしれない。
いずれにしても、急速に進化するBEVが主で、合成燃料や水素エンジンのような脱炭素燃料車は従。
脱炭素燃料の量産化には時間がかかるので、まずは電動化が難しい船舶や航空機用が優先されるべきでしょう。ちなみに合成燃料も水素も製造過程で大量の電気を使うので、電気を直接動力に使うBEVに較べるとエネルギー効率は数倍悪い。また、環境の面では合成燃料も水素エンジンも排ガス(Nox)は出るので除去装置が必要。決して夢の燃料ではない。
議論すべきはハイブリッド車。
ハイブリッド車は2000年以降のCO2削減に多大な貢献してきたが、本質的には「燃費の良いガソリン車」である。
2050年のカーボンニュートラルを目指すのであれば、いずれ役割を終えるのではないか。自動車会社がハイブリッド車を残しながらカーボンニュートラルを達成するには自動車製造事業とは別にDACなどの別の方法で大気中のCO2を回収しなければいけない。
これはPHVでも同じ。充電が切れたらガソリンで走れるPHVは確かに便利だが、充電インフラが充実したら無用の長物にもなる。
私もかつて自動車会社に勤務していたが、2000年代にはBEVかここまでの性能を達成するとは思っていなかった。特に全固体の実用化が進めば今後の自動車産業の軸がBEVに移るのは避けようがないと思います。
EVだけではなく、HVの究極系としてのPHV(プラグインハイブリッド)、水素をエンジンに活用した水素エンジン車、など技術的なブレイクスルーも多岐にわたることがよくわかりました。これらもあわせて、トヨタがなぜ現段階で全方位戦略をとるのかはより多面的に理解できました。
自動車産業における大変革としてよく言及されるCASE(Connected, Automated, Shared, Electic)からしても、ハードウェアだけでなく、ソフトウェアやビジネスモデルの観点からも変革がせまる。安宅さんのおっしゃる和魂洋才ならぬ「物魂電才」ではないですが、トヨタのここからの動向には注目したいですね
外から見えている以上に、トヨタを中心とした自動車メーカーの経営は高密度、高度化している。ソフトウェアと内燃機関という異なる血筋の判断を高度にすり合わせていくだけでも痺れる。
スタートアップ的にソフトウェアのスピードを軸に経営判断している方がシンプルで舵取りがしやすい。それが米中だとすると、日本国でポートフォリオではなく、トヨタの中で戦略のポートフォリオを組ませているため、トヨタ頼み感が強くなる。トヨタの外でイノベーションに使えるお金の使い方も同じだけ高度にスピード感と大胆さも求めらる。
それにしても、重要テクノロジーの進化と入れ替わりが激しく、生き馬の目をぬくような競争なのですね。
ゲームチェンジレベルの革新は、賛同を得るまで時間を要する。
丁寧な説明による合意形成も大切だが、時には独断で進める必要もある。
この使い分けやバランス感覚が、変化が激しく見通しがききにくい昨今の事業環境においては、競争力の源泉ともいえるのではないか。
マネジメント変化がこのようなスタンスにどのような変化をもたらすのか、維持するのか、着目したい。
とても分かりやすい例。確かに普段数百kmも運転する人は少ない中で、そこまでのバッテリーを保持してても、車体の重さも値段も高くなり、ニーズとズレるものに。
この記事を読んで改めて思うのは、トヨタは一番やる事を明確にして、必要なケイパビリティを持つ企業と着実に提携し、そしてその計画を成し得るブランドと技術も明確にある、と世間からも思われている事。
何をやり切るかのイメージを分かりやすく世の中に提示するところに、企業としての強さがある。
超小型モビリティ:BEV
小型モビリティ:BEV
普通サイズ以上のモビリティ:PHEV
商用車、大型モビリティ:FCEV
ブラジルなど:バイオエタノールHEV
どうしても電動化が困難な地域:HEV
※個人的な見解であり、所属する会社、組織とは全く関係ありません
一手というよりも、一手を積み重ねた三段階ぐらいが、
今後も更新しながら進められるか