2023/8/24

【最高裁判決】ハーバード大学、人種によって合格ラインは違かった

NewsPicks 編集部(シリコンバレー支局長)
アメリカで、45年ぶりに大学受験を巡る大転換が起きている。
最高裁判所が6月29日、ハーバード大学など大学の入学選考に対して、人種による「優遇」は認めないとの判決を下したからだ。
日本人は、点数で合否を決めるのが当たり前だと思うだろう。しかし、アメリカではそう話はシンプルではない。
もともと存在した人種的な格差を埋めるために、アメリカでは選考過程に際して、人種を選考基準の一つにすることが認められてきた。
それが、アファーマティブ・アクション(積極的格差是正政策)だ。
写真:Getty Image / Maskot
テストスコアがやや低くても、マイノリティである黒人や中南米系(ヒスパニック)を優遇して、入学させることができるというものだ。
多様性を重視する大学も、長らくそれを肯定してきた。
一方で、白人やアジア系アメリカ人の人々からは逆差別として怒りの種になってきた。
大論争を呼んできたが、今回の判決で、より得点や成績など「能力主義」に沿うような選考になる可能性がある。
アジア系アメリカ人には朗報といわれる判決に、現地はどう反応しているのか。リアルな声をレポートする。
INDEX
  • 私は「黒人のふり」で大学合格した
  • 私は白人の「恩恵」を受けてきた
  • アメリカンドリームは健在か
  • 「下駄を履かせる」はフェアか

私は「黒人のふり」で大学合格した

「これは合法化された人種差別。(アジア系アメリカ人などの)何百万人もの夢をつぶしてきました」