【最新版】2023年上半期スタートアップ調達トレンド
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他地域のベンチャー投資額が軒並み下落する中、前年比で総調達額が伸びるというポジティブなサプライズを目の当たりにした2022年の国内スタートアップ調達動向ですが、2023年上半期はとうとう前年比で下落に転じてしまいました。
レイトステージにおける大型調達の減少が大きく影響しているように見受けます。
このあたりの背景等、8/24(木)11時より、恒例のINITIALセミナーでユーザベースの森さんとお話しします。
よろしければご視聴ください。
https://initial.inc/events/20230824ざっと読んで覚えておきたい数字としては
・2023年上半期の資金調達額は3314億円、前年同期4160億円から減少(2022年は過去10年で最高9459億円)
(下記リンクの1月に発表されたレポートより、2022年はアメリカ3割減少、ヨーロッパも16%減少)
・2023年上半期の調達社数は1,241社、減少が続いていた中、前年同期比17%増
(しかし10-50億円、50-100億円、100億円以上の調達社数はいずれも30%超の減少。つまり10億円未満が大幅増加)
・2023年上半期に観測された新設ファンドは61本で、うち金額が判明しているものは2168億円分。例年と同程度
・100億円以上の新設ファンドは7本(金融系が半数超え)
毎回このレポートを楽しみにしています!
海外と日本の調達トレンドを比較した1月のレポートも横ににおいて読みました。
https://newspicks.com/news/8032712
岸田政府が昨年発表した「スタートアップ育成5か年計画」ではユニコーン100社創出を掲げていますが、ユニコーンをつくるには創業期の資本政策がとても重要です。初めてスタートアップをされる方は創業期はあまりにやることが多すぎて、事業のことで頭がいっぱいになりがちですが、調達できるからとすぐに飛び付かず、慎重に株主を選択すべきです。
これから起業を考えている方は、手前味噌ですが、弊社の資金調達マニュアルもご参考になさってください。
https://jp.smartround.com/public/articles/fundraising/fl1
私たちも1社のスタートアップとして、尽力してまいります。2023年上半期の国内スタートアップの資金調達動向を取りまとめたレポートの速報記事を公開いたしました。
前提として、本集計はエクイティファイナンスです。デットファイナンスは公開情報から網羅的に集計することが難しいため対象外です。
2023年上半期は、3314億円と過去10年で最高額だった2022年の35%に留まりました。
他方、資金調達社数については、前年の同じ時期に集計した(※)2022年上半期と比較すると17.3%増加した1,241社。
※公開情報を観測して作成するデータのため、特に社数は観測期間を揃えた前年と比較するとわかりやすいため
年々大型化が進んでいましたが、今回初めて一社あたりの調達額の平均値が減少しました。
2021年末から東証マザーズ/グロース市況が悪化し、2022年は出口のところで「ダウンラウンドIPO」が発生していましたが、未上場市場では資金調達やダウンラウンドの傾向などに大きな変化はありませんでした。2023年は未上場市場へ影響が数値に現れました形です。
なぜ今なのかを有識者のコメントを交えて考察を進めました。
プラスの材料としては、事業法人や金融機関の積極姿勢。とくに金融機関はデットファイナンス合わせてとても積極的だと感じます。
エクイティがやりにくい状況でも資金調達の選択肢は着実に増えています。
新設ファンド数も好調で、スタートアップ育成5ヵ年計画が動き出しその効果が期待されます。
本記事に利用したデータを含む「Japan Startup Finance 2023H1」レポートは、INITIAL(https://initial.inc/)で近日公開予定です。