2023/7/2

【超有望】アレルギー物質のない卵ができていた

NewsPicks 記者
日本人に最も多い食物アレルギーをご存じだろうか。
牛乳? それとも小麦?
実は、第1位は鶏卵だ。
その割合は、全ての食物アレルギー原因物質の中で3割超を占める。
乳幼児期の発症が非常に多く、患者のほとんどが子どもなので誤食も問題になっている。原材料として思いがけない食品に卵が含まれていることがあるからだ。
子どもが鶏卵アレルギーの場合、家族の食事も大きな影響を受ける。
もし、アレルギー症状を引き起こす原因になる物質(アレルゲン)のない鶏卵ができたら、多くの人にとって朗報になる。
そんな中、広島大学と大手食品メーカーのキユーピーの共同研究チームが、ゲノム編集技術を使って主要なアレルゲンを取り除いた鶏卵を開発したと発表した。
しかも、使った技術はノーベル化学賞を受賞した「CRISPR/Cas9(クリスパー・キャス9)」ではなく、国産のゲノム編集技術だという。
いったい、どうやって取り除いたのか。なぜ、国産の技術を選んだのか。
研究に携わる関係者への取材をもとに、開発の舞台裏と実用化の可能性を展望する。
INDEX
  • 卵アレルギーとは
  • なぜ国産ゲノム編集技術を?
  • 完全除去に成功
  • 卵の性質に変化は?
  • 商品化は慎重に