【超有望】アレルギー物質のない卵ができていた
- 卵アレルギーとは
- なぜ国産ゲノム編集技術を?
- 完全除去に成功
- 卵の性質に変化は?
- 商品化は慎重に
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日常で親しみのある製品の裏側のサイエンス。企業の研究がこうやって世の中に知られていくのは、とても重要なことだと思います。
日本は理系文系と分けてきた歴史が今も根強く残っているため、高校で理系を選択しなかった人は興味関心がなくなるということが問題になっています。
特に女性の場合、親の理解がないと理系には進めません。「女なのに」「女だから」というアンコンシャスバイアスが蔓延っているせいです。
最近、デロイトトーマツグループがWomen in Techプログラムを展開するなど、テクノロジーがいかに自分の生活の中にあるかに気づきを与え、学生に向けて興味関心を持たせ将来の可能性を広げるというアクションを目にします。
教育の現場が変わらないのなら企業が変えていくという取り組みが起きれば、少しは日本も変わっていくのではないでしょうか。
メーカーの研究、これからPRの重要な要素の一つになると思います。
編集を担当しました。
ゲノム編集技術の応用が期待される分野は多岐にわたりますが、その一つが食品です。キユーピーと広島大学の共同研究チームが、ゲノム編集技術を使って主要なアレルゲン(アレルギー症状を引き起こす原因になる物質)を取り除いた鶏卵を開発したと発表しました。そこで使われたのは、よく知られているクリスパー・キャス9ではなく、日本で開発された別の技術でした。
こうした実例を通して見ると、ゲノム編集技術の応用の可能性や、目的に応じてツールを使い分ける必要性がよくわかります。
アレルギーの原因物質をゲノム編集で除去した卵を開発したという、広島大学とキユーピーを取材しました。除去したのは、オボムコイドと呼ばれる卵の主要なアレルゲンです。
研究チームを率いる広島大学の堀内先生は、ご長男が重度の卵アレルギーで、特にオボムコイドに感受性が強いとのこと。
オボムコイドに感受性が強いと、原材料として卵を使っていない食品でも、同じ製造ラインに卵を使った食品があるというだけで、食べるとアレルギー反応が出てしまうそうです。
そして思わぬ影響は、インフルエンザワクチンが打てないこと。当然、堀内さんのご長男はこれまで何度もインフルエンザにかかっていて、家族はこれを「天然のワクチネーション」と呼んでいるのだとか。
もし、今回開発された卵が実用化されれば、卵アレルギーの患者とその家族を含む多くの人にとって、食のQOLは間違いなく上がるでしょう。
もちろんアレルギーは命にも関わる話ですから、キユーピーが商品化に慎重なのは当然です。しっかりと臨床試験のデータを集めて、世に送り出してほしいと思います。
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