米最高裁、アラバマ州で新たな黒人選挙区を支持-投票権法に追い風
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黒人有権者の影響力の弱体化を狙ったアラバマ州の投票区割りを不適切と判断。同様の変更をしたルイジアナやジョージアなどの南部諸州にも影響があるとみられています。この裁定に至ったのはロバーツだけでなく、予想外にカバノーも「不適切」と判断したため。黒人有権者の影響力の弱体化を進める南部諸州の動きは、選挙区割りのシミュレーション分析が定着したここ15年くらい、かなり目立って来ています。
65年公民権投票法にこれまで否定的な見解を示してきたロバーツとカバノーが今回なぜ同法を守ったのかをずっと考えています。おそらくアラバマ州のやり方があまりにも露骨だったからだと推測。同州の黒人比率は27%。下院は7議席あり、現在、黒人議員は1人だけ。実際の選挙区割図をみてもかなり恣意的。
公民権投票法を骨抜きにした13年の「シェルビー郡対ホルダー」判決では同法の4(b)規定(差別的な南部諸州が選挙制度変更の際にどの区域を連邦機関の事前審査対象とするかを決める計算式)をロバーツは「現状に合わない」と違憲判断。新しい式は分極化の連邦議会で決まるわけがなく事前審査は棚上げに。
一方で、ロバーツは急な変化を嫌がり、徐々に変えさせる「インクレメンタリズム」をいつも主張してきました。今回のアラバマ州の話は「急すぎる」「極端すぎる」ということかと思います。
注目のコメント
〈選挙区を10年ごとに描き直すシステム〉
→アメリカでは、10年に一度行われる人口調査の結果を元に、選挙区の境界線が描き変えられます。その際、特定の政党が有利になるように描かれることがあり、これを「ゲリマンダリング」と言います。
→アメリカの最高裁判所は、アラバマ州の選挙区が黒人の投票力を不公平に薄めていると判断し、新しい公平な地図を作るよう命じました。この判決は、公正な選挙を守るための重要な一歩とされ、今後、選挙区の境界線が公平に引かれるように影響を与えると期待されています。