「骨太の方針」原案まとまる 賃上げは?子育ては?
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昨日開催の経済財政諮問会議に提出された「骨太原案」をまとめた記事。こういうものは、即日公表されるので、記者が急いでまとめた記事を読むより、原文をざっとでいいので読むことをおすすめします。今回は42ページ。まだ未定(P)の部分もありますが、斜め読みして、ご自分の関心のあるところをチェックして、そこを深く掘り下げていけば良いでしょう。あと10日ほどして、与党との調整を踏まえて、これが最終版になれば、本文に記載の内容を細かく分解した、政策アイテムごとの工程表(三年分のアクションプラン)が付いてきます。今、ざっと全体を俯瞰しておいて、後に工程表を確認すれば、ご自分の関心分野に応じた近未来の風景が見えてきます。
*私がこのところフォーカスしている不動産IDについても(原案)20ページに
「都市開発・維持管理の効率化や地域政策の高度化、新産業の創出に向け、建築BIM、PLATEAU等による「建築・ 都市のDX」の取組、土地系ベース・レジストリの整備・活用に関する地理空間情報活用推進会議における検討結果を踏ま えた戦略的な不動産ID等による幅広い分野での新サービス創出等を推進」としっかり書き込まれています。
[原案(6/7付)]
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2023/0607/shiryo_01.pdf
[原案に至る議論はこちらからみることができます]
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/index.html
注目のコメント
骨太の方針とは、これから日本が取り組むべき重要な課題とその予算の方向性が決まるため、ある意味『日本の成長戦略』のようなものです。「経済・社会の方向性は骨太の方針で、決まっている」と言っても言い過ぎではありません。例えば、これまでの骨太の方針で、DX(デジタルトランスフォーメーション)の文言が入ったことで一気に日本にデジタル化の流れが進みました。またスタートアップ投資の文言が入ったことで、日本の経済界におけるスタートアップ企業の存在価値が高まったのは言うまでもありません。骨太の方針にどんな文言が入るのか、ビジネス界も投資業界も常に注目して見ています。
今回、特に重要なのが、「学びなおし」によってスキップアップする人材サポートをすることです。それによって、個人の所得が上がる「賃上げ」に繋がるの循環を生み出すことが狙いです。人口が減少して人手が足りていないにも関わらず、利益を生み出しにくい分野に多くの人が集まっていて、必要なところに人材が足りていない現状があります。雇用の流動化というと、やや刺激が強い言葉と感じられるかもしれませんが。学びなおしによって「誰も取り残さずに」国民の賃金を上昇させることが政府の狙いです。また、赤字の中小企業も賃上げを促進できるようにするため、税制を含めた対応策を検討するとしている点には期待したいと思います。これまでに出た政策を総花的に並べただけで優先順位や実現可能性が良く分からないと思います。夏場以降に注目すべき、ガソリン減税・電気代・ガス代の補助の継続で、国民の関心は最も高いと思います、全部打ち切ったら5-7兆円の増税と同じで、総選挙後の掌返しとなるリスクはあります。同じことは4兆円の防衛費、3.5兆円の少子化対策についても言えます。かねてから指摘されたことですが、中間層、居場所、分配など大いに期待されながらほぼ何も実現しなかった民主党の政策と類似点は多いですね。これも総花的な印象を与える一因になっていると思います。