米CIA長官、5月に中国を極秘訪問 対話維持の重要性強調
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バイデン米政権は、中国との間で危機管理のためのコミュニケーション・ラインを確立させたいと考えているようです。そのために同政権の「切り札」であるバーンズCIA長官まで中国に送っていたということです。
米政府は、中国との緊張が高まる中で、誤解や誤読による衝突を避けるために、2023年中に両国間の対話の枠組みを確認したいと考えています。2月に気球問題が発生してブリンケン国務長官の訪中が直前でキャンセルになりましたが、その後もこの試みを続けています。
最近もシンガポールで国防長官同士の会談を米側から提案していましたが、中国側が拒否したことが報じられています。
24年になると、台湾総統選や米大統領選を控え、両国とも対立を管理することがより難しくなることが予想されています。24年は“やばい年”になるので、今年中に危機管理のためのチャンネルを整備しておきたい、というのがバイデン政権の意向だと思われます。
中国側はその意図を分かっているので、貿易面では対話を認めていますが、安保面では米側との対話を拒否することで米側に対中強硬策をとることのリスクを認識させようと考えているのではないかと思います。
もっと緊張が高まれば、米側が衝突を恐れてさらに対話を求めてくるでしょうから、「緊張を高めているのは米側だ」と言って相手に妥協を迫る、つまり緊張を高めて相手をビビらせて妥協させようという考えではないかと思います。
実際には安保面ではインド太平洋で米側が同盟関係を強化して対中包囲網を着々と固めていますので、中国はこの状況で対話に踏み切りたくはないのでしょう。当面こうした駆け引き、チキンレース的な展開が続きそうです。アメリカ中央情報局長官が中国に行ったのなら、質問事項は想像がつく。習近平主席が台湾侵攻の時期を具体的に言及したとの情報の真偽、台湾の国防態勢に関すること、説明次第で中国の台湾侵攻の有無を見積もることができる。北朝鮮の現状分析、北朝鮮の食糧、新型コロナ感染状況、北朝鮮のミサイル開発状況、これらは実はバイデン政権が知りたいこととして優先順位が高い項目。米中関係打開のアイデアについて。こういうとき、中国情報機関は、どのような答えを準備しているのだろう。日本の場合はイヤな相手との交流停止、訪問禁止措置、協議中断を敢行し、マスコミはあそことは問答無用と沈黙を決め込む。アメリカは違う。中国はアメリカの行動に答える。米中関係には大国同士にある、共通の波長があるから、こういうことができる。日本は無理。
CIAのバーンズ長官は、元は国務副長官であり、外交的な用向きで派遣されることが多いです。
ロシアに行ったり、中国に行ったりしていますが、訪問するから関係改善を意図している、といった単純なことではありません。
日本などは外交が下手なので、第2次世界大戦中は、米国とも英国ともソ連とも外交が途絶えていましたが、喧嘩しているから口をきかない、などは子どものすることで、戦争中でもどんどん敵国と外交をして情報収集したり、少しでも有利になるように根回しすればいいのです。今もロシアがしているように。
イスラエルなどは中東戦争中でもアラブ諸国と盛んに取引していました。
バーンズ長官は、北京で上位7位に入るような要人には会えなかったようですが、ドアの隙間に靴を突っ込めるくらいのとっかかり口は、常につくっておくものです。