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勤続年数が長いほど優遇される退職金は、転職や退職して起業することの妨げになっていました。
退職金は「賃金の後払い」と位置づけられていますが、「今払い」にするのが人材流動化にとって不可欠です。
退職金をよりフラットなものになれば、転職が価値中立的になり、従業員にとって、同じ会社で働き続けることと、転職することを、バイアスなく検討することができます。結果、本来可能であった転職が増えることとなり、労働の流動性も高まり、多様性が促進され、イノベーションにも繋がります。
経済のグローバル化やイノベーションのサイクルが短くなったことにより、企業の寿命が短くなっています。「S&P500種株価指数」 を構成する米国の主要上場企業の平均寿命は、1950年代には60年以上だったものが1980年には30年を切り、2012年には20年を割ったそうです。
企業の寿命が短くなれば、必然的に、特定企業での平均勤続年数も短くなります。そうであれば、一つの企業に長く勤めることを誘因するような退職金制度ではなく、より価値中立的な制度にすべきと思います。
もちろん、転職それ自体が良いと言っているわけではありません。業界によって平均就業年数というのは違って当然です。現在は、サービス、金融の業界などは転職が頻繁である一方、製造業などは就業年数が長いのかと思います。それは、技術革新やビジネスモデルの性質に関係するので、長短と良し悪しは関係ありません。
特定の企業に長く勤めたいと考える人にとっても、転職を常に検討したいと思う人にとっても、公平な制度設計に整えることで、働きたいと思う組織で働くことがより可能になる社会に近づき、それがイノベーションにも繋がっていくのかなと思います。
しかし、現実的には、もう数年来に退職金もらえると思っていた人のリタイアメントプランに影響が大きい。
何歳の人から、いつから適用するのか興味深い。
本気度がわかる。
ただ格差是正なら、退職金をもらうような普通の会社員ではなく、資産デカくて働いてないような資産家狙ったほうが良いと思いますが。
かつての「骨太の方針」には容易に進まぬとはいえ太い骨がかなり並んでいたように思うのですが、欧米諸国に水を開けられた日本の本質的な成長力がこうした耳に優しい施策の羅列で果たして取り戻せるものなのか。些か心許ない思いがします。たとえ実現は難しくとも、日本の潜在成長力を落とす本質的な要因に切り込んで方向性を示すのが「骨太の方針」の骨太たるゆえんじゃないのかな (・・?
終身雇用に価値がないわけではないが、
ただ長く勤めるだけが価値ではない。
どこで働いてきたかだけでなく、何をしてきたかが見える化される社会づくりに真剣に取り組むべき。
その中で、税制の仕組みも見直される、というのが期待される未来の姿です。
1、勤続20年まで勤続年数×40万で、それ以降は年数×70万の控除。つまり通常40-45歳あたりから税控除のインパクトが急に大きくなり、"1つの会社に"長く勤める程、控除額が大きくなる設計。ここはせめてiDeCoのように会社またぎで引き継げるようにすべき。
2、上記設計での控除率が高すぎる。例えば30年勤務して2000万の額面だと、1500万が控除されて更にそれを半分にした残る250万が課税対象額。ここに累進課税で所得例が課税され住民税が10%課税されるけど(これは年間給与とは別で計算、合算はしない。)、この例だと多分所得例15万住民税25万くらいとなり、手取りは1960万。税率にして1%いかない。これは控除しすぎ。
3、加えて企業ごとに“円満"退職の基準がある所もあり、例えば50歳で"満期"となりそれまでに辞めると退職金は数割引となったり半額以下になるケースもある。
こうなると1と合わせると40歳くらいから税控除狙い、50歳前後で満期狙いで在職インセンティブが働き、更に言えば1のインパクトは役職がない方がメリットがある(役職なしで毎年70万の年金上乗せがある会社はそんなにないはず)ので、55歳あたりで役職定年を迎えた人は更に会社に残るインセンティブが働き、結局定年まで居た方が制度上"有利"。
4、更に言えば3の退職金の制度の説明はあまり公にされないような気がしていて、場合によっては退職されるまで金額計算出来ない•しづらいケースもあると聞く。でも、例えば50歳満期のある企業でそれ以前では半額、とかだと人によっては500-1000万弱近く手取りで損するケースもあるはず。出来れば1の税制と一緒に説明された方が望ましいと思う。
今の日本で2の税額控除が大きいのは明らかで、かつ1が転職者に顕著に不利なのもトレンドに反するのでそのうち改訂されるはずと妻と話していた所でした。
個人的には3も今の給料を後払いで貰うようなものなので、2の控除が減るならいよいよ若いうちの毎月の給与に振り替えてもらえば投資に回せます。(それでも今は2の税率が低すぎて運用メリットが相対的に小さいですが)
政府が6月中に策定する経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)の概要に「同じ会社に長年勤めるほど優遇される退職金への課税制度を改め、勤続年数による格差を是正する方針を盛り込んだ」とのことです。
【退職金課税「勤続年数関係なく一律に」 政府税調で意見】
https://newspicks.com/news/7702704
長く同じ会社で勤務していないと住宅ローンも組むことが難しいですし、勤続年数が長くないと生活に困る場面は少なくないですね。こうやって是正されることで転職へのハードルも低くなっていくと思います。