【直撃】掃除機だけじゃない。ダイソンの「型破り」な野望

身に着けて見たいような、ちょっと重そうな、でも気になる未来型ヘッドフォン。本社をシンガポールに移したアジア戦略と、日本が開発のキーになっている話。EV、AI、教育、農業！と短い中で盛沢山なインタビューでした。
特に、独自に無料の大学を作るなどの教育における投資、農業と製造業に共通項を見出し挑戦する野望が気になります。一つ一つ深堀もしてみたいところです。

お米も売っているアイリスオーヤマを思い出しました。いずれも創業家の率いる非上場企業。「これをやりたい、ついてこーい」と言えるのは素敵と思います。世の中的には「私物化」「思いつき」などと批判されることが多いですが。

ダイソンの農業はとても興味深い。
掃除機もそうですが、とてもマーケティングセグメントとそのユーザーの課題にアプローチするやり方がうまい。今回はその話に触れてませんが、マーケティングが抜群に上手い
"儲からない要因は複合的です。中でも問題なのは、ほとんどの農家が直接販売できないという点。そして、何十万もの農家がありながら、スーパーマーケットが非常に少ないという点です。
少ないスーパーマーケットがすべてをコントロールし、結局は自分たちが儲けているのです。

非上場だからできることだし、だから良いと思う。
ただ、個人的にはAppleのNewton（先取りしすぎて売れなかった）にも至らない、既存のものに斜め上のものを組み合わせて作った印象。
一方、不思議と思うのは、欧米人はアジア人に比べてマスクへの抵抗が強い中で、ダイソンとして本製品を出したこと。シンガポールに本社があったり、サイクロン式掃除機の発売など、アジアに元々近しい企業やダイソン氏の考え方などはあるかもしれないが…

EVについては、下記の撤退時のコメント欄とあわせて。全固体電池（Sakti3）のマネジメントに失敗した印象で、どれだけ今後につながるものを得たのだろう。

電気自動車の開発中止＝採算合わず－英ダイソン
https://newspicks.com/news/4292789

AIとの関係が途中に書かれていますが，昨今のようにソフトウェア側の能力が著しく向上していく中で，最終的に人の体験の質を向上させるのは，コンピュータとの接点のUIの部分になります．特に，今のAIなら，精度の高い情報が計測できればいろんなことができるので，AIの時代だからこそ，センシングというハードウェアの技術の大事さが今後より一層フォーカスされていくだろうと思います．
モータなども同様に，今の文字情報としてのアウトプットから，実際の物の移動というアウトプットにまで変遷していく過程で，精密に動くハードはより一層重要になるはずです．AIの時代だからこそ，ダイソンのようなハードの技術を持った会社は強そうです．

なるほど。
「そしてこの流れは、全ての製品・分野に当てはまる。現在ダイソンでは、ソフトウェア・エンジニアをエンジニアの半数以上に増やして開発しています」

自らが挑戦的なプロダクトを作り続けながら無償教育も展開していくダイソン、めちゃくちゃすごいです！空気清浄機や掃除機という市場を後発ながら獲得するパワーももちろんですが、特に自社技術を応用できる関連分野の分析が飛び抜けて上手い印象があります。ヘッドホンもその一つ。最近のプロダクトは一つ一つが社会課題と結びついていて、注目しがいがあります！

この記事を読んで、ジェームス・ダイソンのエンジニアとしての筋の通った生き方が理解できるような気がしました。
外から見て、多方面に手を出しているように見える事業でも、なるほどなぁと思いました。とくに現場で第一線で活躍するエンジニアと学べる大学は素敵ですね。
ご自身の著書「インベンション 僕は未来を創意する」も読みましたが、子どもの頃からの技術へのこだわりが良くわかります。

教育や農業への取り組みは知らなかったので驚きです。

ただいずれも社会課題に注目して挑戦されているところが印象的でした。ブランドコンセプトに沿っている挑戦なんでしょうね。志ある若者を集めるにはコアとなるものなのでしょう。

なおこのヘッドホン空気清浄機、スプラトゥーンのギアに見えたのは私だけではないはず…