岡山のメガファーム国定農産、地域のもみ殻集めシリカに - 日本経済新聞
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もみ殻は稲作1ヘクタールあたり約1トン出る。国定農産ではもみ殻を牛舎に敷く酪農家や製鉄の冷却に使う水島コンビナートの企業に提供してきたが、農家の減少や鉄鋼業の不況で引き取り量が減った。多くが廃棄に回り「付加価値をつけられないかと悩んでいた」(国定会長)。
転機となったのが、岡山県の起業支援施設に入居するスタートアップのジェネスラボ(岡山市)の存在を2年前に知ったことだ。同社は県の資源循環推進事業の補助を受け、空気に乗せた電子で化学反応を促すことで、もみ殻から純度90%以上のシリカを抽出できる機械を開発していた。
シリカは除湿乾燥剤や肥料に使われるほか、セメントの強度や塗料のはっ水性を高めるなど工業分野にも展開できる。県内外へのシリカの販路が見え、機械の導入に至った。来年度には約4000万円をかけて2号機を入れる。ジェネスラボの岩藤修一社長は「国定農産の大きな経験値と組み合わさるのが楽しみ」と話す。
国定農産はもみ殻をシリカにするだけでなく、シリカを抽出する前のもみ殻炭をペレット状にし、土壌改良材として農地に散布する計画もある。もみ殻を炭化させて農地で使うことは、本来なら微生物の活動などで分解され空気中に放出される二酸化炭素(CO2)の排出を減らすため、温暖化対策の認証制度「J―クレジット」の対象になる。今後認証を取り、収益化することも考えている。
(引用了)