トルコ大統領にエルドアン氏 野党統一候補との決選投票制し
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It's a DISASTER.
この国の人はまたソイツを選んだのであれば、今後の更なる不景気、インフレ、corruption、人権侵害、独裁政権など、全てに同意しているということですね。
「自業自得」
注目のコメント
大統領選決選投票の前に、議会の議席は確定していました。
エルドアン大統領の政党(AKP)は、国会(1院制、総議席600)で268議席持っていて、トルコ民族主義政党と連立すれば320は超えるので、安定感があります。
クルチダルオール候補の政党(CHP)は128議席、政策の異なるリベラル政党やイスラーム政党、クルド人政党と連立したとしても、270程度で、過半数はとれません。
議会多数派と同じ政党の大統領の方が、法案はすぐに通るので、実効力が保障されています。
エルドアン大統領当選で、トルコリラはさらに下がり、初めて1ドル=20リラになりました。エルドアン政権当初は1ドル=1.5リラ程度だったのですが。
日本でいえば、10年間で1ドル=100円から1ドル=1400円になったようなものです。
それは、輸入した食料品をはじめ、インフレにもなります。
トルコの通貨安とインフレは、新興国の多くで共通して見られることですが、トルコは程度がひどく、長期間過ぎます。
当然、対外債務返済が困難になっていきます。
通貨安とインフレはイデオロギーや、近隣諸国との外交、ましてや民族間対立を煽っても解決するものではなく、新産業の育成と輸出主導型の経済成長によって解決されることが望ましいです。
エルドアン政権は、対外債務の増大と、国内のインフラ整備を含む建設業への投資が大きすぎました。
クルチダルオール陣営が、経済政策の転換に向けた処方箋を示せていれば結果は違ったかもしれませんが、クルチダルオール候補が当選したからといって、経済政策が変わりそうな展望が見えませんでした。248ページもの大量の文書でできている野党6党の「政策についての覚書」を見ると、妥協の産物という側面も感じられ、政権をとったあとで本当に統一した方針が実行できるかは要注目でした。決戦投票では難民排斥を訴える極右政党とも連携せざるを得なくなり、支持率を下げる結果になりました。高インフレに低金利で対応という非伝統的金融政策のエルドアン大統領はまずは経済の立て直しが必須。結果に最も喜んでいるのは盟友が勝利したプーチン氏ではないかと思います。選挙直前にロシアが仲介、イラン同席でトルコ・シリア外相会合が開かれたこと、先般はシリアがアラブ連盟に復帰したことが気になります。西側諸国のトルコとの関係強化が必須です。
勝手に憲法を改正し、自分の元に権力を集中したエルドアンと、民主化を試みようとするクルチダルオール。勝負を制したのはエルドアンでした。
これで、エルドアンは通算25年間トルコの最高権力者の座につくことになります。
今回の選挙は、エルドアンにとって逆風が吹く選挙だと言われていました。地震による被害や、逼迫した経済状況、トルコリラ安のせいです。
(エルドアンは「金利を上げれば景気も上がる」という謎理論でイスタンブールのインフレ率を約100%にしました😧)
実際、選挙前の世論調査ではクルチダルオール氏が優勢でした。
対立馬だったクルチダルオール氏は親欧米派で、エルドアンが反対したことで実現していなかったスウェーデンのNATO加盟や、親中露政策を見直し、はちゃめちゃなトルコ経済も立て直す、としていました。
エルドアンと対照的に、イスラム色を政治に持ち込まない「世俗派」でもあります。
一方、今年はトルコ建国100年という、エルドアンが絶対地位を譲りたくない節目の年でもあります。
今回も報道統制や、民衆へのばらまきが行われていました。
しかしそれだけではなく、やはりエルドアンにはカリスマ性があります。
(実際そんなことしないと思いますが)彼は外交上手で「ウクライナ侵攻の仲介役」として名前があがっています。
また、宗教色を打ち出した政策は、今まで隅に追いやられていたイスラム保守層からの支持を集めました。
生活水準の向上、インフラ整備などの功績に関しては、誰もが認める素晴らしいものだったと思います。(トルコの田中角栄との異名も👀)
独裁者が現れては消えていく現代において、国民から未だ支持を集めるエルドアンは、他の独裁者と一線を画した「カリスマ性のある独裁者」なのかな、と感じました。