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エルドアン大統領支持層:地方農村部、地方都市、イスラーム色の強い層、トルコ民族主義者
クルチダルオール候補支持層:ヨーロッパ寄りの西部大都市(イスタンブル、イズミルなど)、東部のクルド人、アルメニア人、世俗的リベラル層

クルド人は重要な票田ですが、ほぼクルチダルオール候補支持で固まっているので、変動は無く、票の積み増しにはならないでしょう。
 変動しうる(フェンス・シッター)のは、それほどイスラーム熱心でもなくリベラルでもない都市部のトルコ人でしょう。

仮にクルチダルオール候補が当選したら、対ウクライナ政策に多少の変化はあるかもしれませんが、トルコ国内では対シリア政策の方がはるかに問題になっています。
 ロシアもウクライナもトルコに対して何かしてくるわけではないですが(小麦と原油とガスが輸入できればそれでよいので、その意味では、おそらくエルドアン政権とあまり変わりありません)、シリアからは300万人の難民が来ているからです。

シリア難民300万人を、エルドアン大統領は12年間に渡って追い出せずにいる、ということを、クルチダルオール陣営は攻撃材料にしています(こういう点では、クルチダルオール陣営は欧米でいう意味でのリベラルでは全くありません)。
 そうはいっても、クルチダルオール陣営に具体策があるわけではありません。300万人もの人間を無理矢理国境の向こうに押しやる、というのは、武力を使わずにできることではなく、まず虐殺を引き起こします。
 比較的円滑に進めるには、シリアのアサド政権と協力して送還を進めることになりますが、そういう実行力ではエルドアン大統領の方が上でしょう。
前回もそうですが、投票率が気になります。
浮動票は、大抵野党側が回りますので、投票率が上がれば、本当に大接戦になるかと予想しています。

20日から21日にかけて行われた地元の調査会社KONDAの世論調査ではエルドアン氏が支持率で5ポイント近くリードしていますが、投票先を決めていない人が8%余りとなっていて、接戦が予想される中、浮動票の行方が焦点となっています。
与党も野党も全力を出し切ったトルコ大統領選挙。熾烈な選挙戦は、トルコの置かれた戦略的地位の厳しさを反映していた。ロシアをとるのか欧米ををとるのかで国論が二分される。こんな選挙戦は日本人は経験したことがない。派手な外交戦の主役だったエルドアン大統領が今まで苦戦してきたこと自体が驚き。トルコ国民が常に国家の利益、進むべき方向を真剣に論じているからだろう。