JPX総研が「プライム150」銘柄を公表、トヨタは選ばれず
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成り物入で始まった日経400はもう忘れられています。これと同じで「プライム150」も同じ運命をたどる可能性があると思います。逆に言うと、そうならない工夫が必要だと思います。それは、そもそもの哲学、投資家の認知、先物の創設など利便性、だと思います。哲学は大型グロースだと思います。日本にそんな企業が15社ならわかりますが150社もあるのか、等々ちょっと急ぎすぎな気もします。新しい指数を創設する時には業界内でどこが入る入らないと、話題になりますが、今回は聞いたことないです。トヨタやメガバンクはPBR1を割れているのでまあ当然でしょうが。
個人的にはアリだと思っている。
指数の設計思想として、株主資本を有効活用していることの代理変数としてエクイティスプレッドとPBRを使っている。そして例えばTOPIX指数などでは構成比が小さくても、これに選ばれることによって指数組み入れされれば、ETFなどによるパッシブ買いにつながる。
下記にもう少し細かく書くが、成長企業と安定企業(かつ資本を有効活用している企業)が両方入る設計意図になっているように見える。これは株主資本を有効活用していない「価値破壊企業」を減らそうとするPBR1倍割れ問題などへの方針とも整合。良い企業にインセンティブを与える施策は、応援したい。
本指数の設計の主な基準や方法は下記
・母集団はプライム上場のうち時価総額上位500銘柄
・まずはエクイティスプレッドで上位75社を選択、次にPBR基準で残り75社を選定
・選定後は時価総額加重で構成比を決定
・エクイティスプレッドに用いる株主資本コストの計算では、各企業の5年βを利用
・定期入れ替えは8月、そのための基準日は6月(いずれも最終営業日)
プライム上場(REIT・ETF除き)は約1800社、時価総額上位500社になる目安はざっくり2000億円。これらの企業のうちPBR1倍以上は約300社、うちROE8%を超えている企業は約200社。
設計意図としては、こんな感じに見える。
①高成長ゆえにまだ赤字でもPBRが高い企業はあるので、PBR基準でそれを参入。ただしこれらはボラも高い可能性
②エクイティスプレッドで、低β企業は入りやすいので、そちらで指数を安定させる
→この両輪で、成長とボラのバランスを、バーベル的に取ろうとしている(指数のバックテストデータが出てきたら、TOPIXとのリスク・リターン特性の違いがどうか見てみたい)
下記が指数の算出要領。
https://www.jpx.co.jp/corporate/news/news-releases/0060/cg27su0000007ruk-att/20230526-01.pdf