英インフレ率、予想を大きく上回る-追加利上げの観測強まる
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英国では一時リセッションと同様な景気停滞から、利上げ打ち止め観測が台頭する局面もありましたが、3月CPI統計で甘い期待を打ち砕き、今後も連続的利上げが想定される状況となってはいました。
イングランド銀行のMPC(金融政策委員会)は、このところ意見が対立して「票割れ」が継続していますが、利上げを継続すれば本格的なリセッションに陥る可能性が高いにもかかわらず、金融引き締め策からの脱却は困難という苦境にあります。
懸念点としては米国への影響であり、今後の米国CPI次第で「景気減速でも利上げ」という英国と同様な恐れがあると観ています(持論では英国は先行指標でユーロ圏も同様ではないかと)。大陸に比べてもディスインフレが進まない大きな理由の一つに、供給力の構造的な低下があるようです。
ブレグジットに伴う安価な労働供給の減少があり、その代替が高価な英人労働者(かつ働かない!)で賄われているため、賃金・サービスインフレが、大陸よりも粘着的となっている。
少なくとも、ロンドンではそういう話になっている印象です。だいたいのエコノミストが指摘したように、ブレグジットは、短期的にはデメリットが優っているようです。減税と財政支出拡大の組み合わせを宣言して国債と通貨の急落を招いたトラス政権時の瞬間風速から回復してはいるものの、ブレグジットが決まる前後から英ポンドは下落傾向です。財政収支と経常収支の双子の赤字を抱える国で通貨安を伴うインフレが起きると、収束させるのは容易なことではありません。かといって物価上昇を放置してインフレ心理が定着すれば、それこそ止めどが無くなります。金利を引き上げ、国内需要を供給力相応に弱める必要があるわけですが、国民にとって辛いことではありますね・・・ (・・;