2023/5/29

【入門】ビジネスで使える経済学「レーティング」ってなに?

NewsPicks 副編集長
アマゾンや楽天市場、食べログ、アプリストアなど、何かを買ったり、選ぶ時に「星の評価」を見る人は多いだろう。
IT化が進み続ける現代で、こうした誰かの評価や格付けを目にするシーンは増えている。
しかし、その「5つ星の評価」をユーザーはどれくらい参考にしているだろうか。
実は、この「星の評価」がもっと信頼されるために、経済学の知見を応用しようとする動きが広まっている。
NewsPicksでは、2022年11月に『ビジネススキルとしての「経済学」超入門』という特集を組んだ。日本のビジネスでいま、経済学を活用する企業が増えており、その動きが「5つ星の評価」の領域にも広がっている。
かつて机上の空論とも言われてきた経済学は、今や社会実装に向けて、着実に進んでいる。ビジネスパーソンにとっても、ビジネススキルになりつつある。
今回の記事では、最近よく見る「5つ星評価」を経済学的に読み解いていく。
解説するのは、経済学の先端学知をビジネスに実装するエコノミクスデザイン(東京都新宿区)に所属する経済学者の二人──坂井豊貴氏(慶應義塾大学教授)と河田陽向氏(駒沢大学専任講師)だ。
この専門家2人が「星の数(レーティング・格付け)」についてわかりやすく解説する。
INDEX
  • 複雑なものを「一つの数字」で表現
  • クウェートとスペインはどっちが豊か?
  • 社会インフラになりつつある
  • 「良くない」使われ方も身近に

複雑なものを「一つの数字」で表現

──まず「レーティング」とは何か、簡単に説明するとどうなりますか。
河田 「複雑なもの」を「一つの数字」で評価することです。「多次元の要素」をどうにか「一次元の数」に集約して、評価します。
レーティングは身近にあります。