米、子の肺炎予防ワクチン承認へ 妊婦に接種
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RSウイルスワクチンは、米国では先に高齢者を対象としてGSK社製のワクチンの承認が行われています。今回はファイザー社のもので、接種対象は妊婦となっていますが、実際に肺炎を予防する対象となっているのは生後6ヶ月以内のお子さんです。
このRSウイルス感染症は特に生後6ヶ月以内で重症化しやすいことが知られているからです。これらの世代では命を守るワクチンとなりうるため、「待望のワクチン」でもありました。
背景となった研究の結果はすでにNEJM誌に報告されています(参考文献)。
その結果によると、生後90日以内に重度の肺炎が発生したのは、ワクチン群では乳児6名、プラセボ群では乳児33名でした。この結果から、ワクチンの有効性は81.8%と算出されています。また、生後180日以内で評価すると、ワクチンの有効性は69.4%と算出されました。
有害事象の発生率は、ワクチン群(母親13.8%、乳児37.1%)とプラセボ群(それぞれ13.1%、34.5%)で差を認めませんでした。
以上から、ワクチンが有効で安全であると示唆されています。順当にいけば、まずは高齢者や子ども世代でこのRSウイルスワクチンが標準化していくものと考えられます。
参考文献
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2216480
注目のコメント
素晴らしいニュースです。
RSウイルスは新生児が重症化する感染症の一つですが、治療法がなく、重症化してしまうと手の打ちようがない感染症です。
ワクチンは病気になる事を防ぐので、最も良い方法である一方、打った本人はありがたみを感じにくいのですが難点です。統計学的に有用性が証明されているので打つに越した事はありません。
新しいワクチンが始まると、日本ではだいたい副反応に関する報道が中心となり、恐怖を煽ります。特に、今回は妊婦さんに打つので、より反発が強いかもしれません。
子供の命を守れるよう、正しく報道される事を祈るばかりです。RSは2歳までにほぼ全員が感染するありふれたウイルスですが、6ヶ月未満は特に重症化するリスクが高く、入院が必要になることも少なくありません。
乳児期の入院自体が子にとっても親にとっても大変ですし、
そのリスクを妊娠中の予防接種で下げることができるのはすばらしいこと。
インフルエンザや新型コロナの予防接種は妊娠中にも接種しますし、妊娠中の予防接種は特別なことではありません。(風疹など生ワクチンは妊娠中は接種できません。)
いずれ日本でも使用可能となることを期待します。