新たな熱帯低気圧が発生へ、来週にかけ発達しつつ北上か(杉江勇次) - 個人
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台風を発生させる熱帯の2つのパターンが重なり、来週にかけてフィリピン沖に熱帯低気圧が発生すると各国の数値予報モデルで予想されています。
1つ目がマッデン・ジュリアン振動(MJO)と呼ばれるもので、熱帯で雲を作る活動が活発になりやすい波が西から東へ、およそ2か月弱で地球を一周する動きがあります(地球の赤道付近がもともと持っている固有の波です)。5月頭にインド洋西部にて活発な雲の活動が見られ、これが徐々に東へ移動してきて、5月下旬になって西太平洋で雲の活動が活発となっています。
2つ目はMJOに伴って発生することがある西風バーストと呼ばれる現象で、やはり5月頭のインド洋西部から徐々に東へ移動してきており、赤道付近で西風が強くなるため、赤道を挟んで南北に低気圧を発生させやすくなる特徴があります。これが5月下旬にインドネシアからミクロネシアにかけての西太平洋にやってきて顕著になる見込みです。
例えばベンガル湾でサイクロンを発生させミャンマーに大きな被害を与えたのも、この2つの要素が重なったタイミングだったからといえ、5月下旬にこのパターンが重なる西太平洋でも同様に台風が発生すると見込まれています。
日本付近はというと、この時期にはまだジェット気流が本州南岸にあることが多く、少々台風が接近してもジェット気流にぶつかって東へ流れていってしまうのですが、ジェット気流も徐々に夏モードに切り替わってきており、台風の発達状況によっては台風がジェット気流を押し上げる作用があることから、ジェット気流が上空にあるから大丈夫とも言い切れません。
まずは熱帯低気圧が実際に発生してからの予報をこまめにチェックするしかなさそうです。