EVで新ブーム、自動車メーカーが鉱業に進出

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• Matsunaga Takashi

  バッテリー スペシャリスト

  ・2023年05月21日

  レアメタルとまでは言えないLiやNi、Coを原材料とする現行のLiBの製造コストを理解していないから、電池メーカー任せにしたり、市場で原料調達したりすれば良いとGMが考えていたことが分かる記事。
  
  電池製造は、原材料コストがかなりの割合を占める変動費比率の高いビジネスです。そしてもう１つの特徴が、調達する原材料の価格も変動するビジネスです。つまり投入資源の量と価格の2つが変動することを前提に利益を出さなければなりません。しかもアウトプットである電池価格を毎年下げながら。
  
  自動車メーカーは、電池をもっと供給して欲しいといいつつ、価格は下げて貰わないとEVが高くなるという立場なので、自らLiやNiを相対で調達することで一方の原材料価格を安定化させ、一方でEV生産計画を発表し、電池の生産量を増やすべくギガファクトリーに投資しているということです。
  
  これらの施策は、現行主流となっている電池組成を前提としているため、鉄やナトリウムを主体とするLFPやSIB(Sodium Ion Battery)に電池組成が変われば、投入する原材料の価格も量もひいてはサプライチェーンも変わって来ます。
  
  長くなったのでここまでとしますが、こうした状況で数千億円も投資し合っていて自分達だけが投資を回収出来ると考えていることに怖さを感じざるを得ません。補助金も税金ですし、税控除もしかり。