2023/5/20

【激白】「売れなければ終わり」の世界で見た現実

NewsPicks編集部
小説家の平山瑞穂さんが、本が売れなくなっていったの自身の経験を赤裸々に綴った『エンタメ小説家の失敗学~「売れなければ終わり」の修羅の道~』(光文社)が話題だ。
平山さんはサラリーマン生活を経て、2004年に『ラス・マンチャス通信』(新潮社)で第16回日本ファンタジーノベル大賞を受賞して小説家としてデビュー。
映画化された『忘れないと誓ったぼくがいた』(新潮社)をはじめとした多数の作品を大手出版社から出してきたが、今は新刊を出すことすらままならないという。
出版大手からの華々しいデビューから、なぜ転落していったのか。失敗の本当の要因はどこにあったのか。そして今、何を悔やんでいるのか。
出版不況の中でもがいてきた平山さんが、これまでの失敗を「学び」に変えて率直に語った。
INDEX
  • 学び① 当然だが、市況は変わる
  • 学び② 挫折は「小さな失敗」の蓄積
  • 学び③ 失敗は「コンテンツ」になる
  • 学び④ それでも絶対「あきらめない」

学び① 当然だが、市況は変わる

──本書では、本業の小説だけでは経済的に難しいため、小説以外の仕事もして生計を立てていると明かされていて、正直驚きました。
平山 自分名義の小説を出すことが難しくなってきて、2016年頃から徐々にライターとしての仕事を増やしてきました。
今は、某週刊誌に書評を書いたり、写真週刊誌のアンカー(原稿をまとめるライター)を不定期で請け負ったりしています。
書籍の代筆をすることも多いです。いわゆるゴーストライターで、本の名目上の著者は別の人になります。
僕の名前は「編集協力」といった名目で小さく入るだけですが、1回につき数十万円単位でお金をいただけます。
だんだんとライターとして食べていける地盤ができてきた感じですね。