中国の景気回復に強まる懸念-4月の指標は軒並み予想に届かず
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昨年の4月は厳しいコロナ対策が実施され、人やモノの移動が制限され経済活動が急速に収縮したことで、消費や生産などの経済指標は軒並み悪化しました。
昨年のこの頃の経済状況を見てみると、厳しい行動制限の影響が顕著に表れたのが個人消費でした。中国国家統計局の統計によると、22年4月の社会消費品小売総額は前年同月を11.1%下回りました。中でも、自動車販売は同31.6%減と大幅に下落しました。
生産面では、サプライチェーンの混乱で原材料や部品の調達が滞り、多くの工場が一時的な閉鎖や稼働率の低下に追い込まれました。22年4月の工業生産は、前年同月2.9%減と、約2年ぶりにマイナスへと転じています。生産でも自動車の不振が顕著で、中国自動車工業協会によると、生産量は120.5万台と昨年同月を46.1%下回りました。
厳しい行動制限は5月まで続きましたので、来月も比較的高い数字が出てくるのは間違いありません。上海が2か月間のロックダウンに見舞われた昨年の第2四半期の成長率は0.4%で、特に個人消費が伸び悩みました(小売売上高は4月が11.1%減、5月が6.7%減)。従って、今年の第2四半期は前年同期(同月)比で顕著なリバウンドが見込まれますが、市場の期待値とは若干の乖離があるようです。ポストコロナ期における中国経済を巡る評価と期待、懸念と不安が複雑に錯綜している印象を受けます。
4月の工業生産は前月比マイナス0.47%。ゼロコロナ政策で混乱した2022年11月以来の減少で、マイナス幅は2割超減った2020年2月以来の大きさ。若年層の失業率も20%を超えており、ゼロコロナ政策の解除で中国経済が急反発していくというバラ色のストーリーはなくなった。