2023/5/7

【アニメ療法】「AIカウンセラー」の時代がやってくる

NewsPicks編集部
メンタルヘルスに深刻な問題を抱える日本社会に、プレイフルでカジュアルな「心のケア」を──。
そんな提言が話題を呼んでいるのが、カウンセリングの手法である「物語療法」に、日本のオタクカルチャーを融合させた新しいケアのあり方を解説する、『アニメ療法』(光文社新書)だ。
今週は、同書の著者であるイタリア人精神科医のパントー・フランチェスコ氏をゲストに迎え、これからの時代のメンタルケアを考える。
INDEX
  • メタバースの中でのアニメ療法
  • 「AIカウンセラー」の課題
  • エンタメ業界の賛同が不可欠
  • 「クリエイター×医師」を目指す

メタバースの中でのアニメ療法

──前編では「AIをカウンセリングに活用する」といったアイデアも語っていただきました。パントー先生が見通す、未来の「アニメ療法」のあり方とはどのようなものでしょうか?
パントー 僕が構想しているのは、メタバースの中でのアニメ療法です。インタラクティブ性が高いという意味では、よりゲームに近い形になるでしょう。
ポイントは、ユーザーの「感情のプロフィール」をつくることです。
ゲームそのものには、柱となるオリジナルストーリーがあるのですが、ゲームを進めるうえでは、個々のユーザーのそのときの感情にいちばんマッチングしやすいキャラクターが、声をかけてくれたり、指示をくれたりするのです。