コロナ緊急事態宣言「終了」 WHO、3年3カ月で節目
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ようやく緊急事態の終了を迎えました。
感慨深いものがあります。
しかし、コロナは変わらず存在しており、感染対策の判断は各個人に移行した、という宣言とも言えます。
世界初の大規模なパンデミックに対し、世界が様々な方法で対策を行いましたが、未だ最適解はありません。こうだったら良いなという仕組みは浮かんでも、実現させるのは難しい事ばかりでした。
いくつか紹介すると、米国のホスピタリスト(入院専門医)は素晴らしい仕組みで、どんな入院患者でも診察できるため、普段は様々な疾患を診ていましたが、コロナ禍では全ての病床をコロナ病床に切り替えることが出来ました。
シンガポールでは、NCIDという感染症専門病院で全てのコロナ患者を診察するという戦略で立ち向かいましたが、想定を超える患者数で、戦略変更を余儀なくされました。そこで作られたのが、感染症の研究と教育の専門部門です。コロナ情報をいち早く解析し、教育であらゆる医療従事者を戦力に変えて、オールシンガポールでの戦いとなりました。すでに次の大規模パンデミックに向けて、NCIDを中心としたシンガポール全体の感染対策の仕組みづくりに動いています。
ヨーロッパCDCでは、ヨーロッパだけの連携では不十分だと考え、ネットワークの拡大を進めています。モンキーポックス、アデノウイルスによる小児肝炎の時は様々な情報を世界に発信しました。
日本にもこれから日本版CDCである、日本健康危機管理研究機構が発足する予定です。日本の感染対策の仕組みはまだまだ改善の余地があり、ここからが勝負です。
次の大規模パンデミックは必ず起こります。その時に経済、社会、医療を守る仕組みをこれから日本に根付かせなければいけませんが、皆さんはすでに喉元を過ぎて熱さを忘れたいと思っている事でしょう。
マスコミや国民の監視の目が強ければ強いほどよい仕組みが生まれると思いますので、引き続き感染対策の批判が続く事を願います。パンデミックのほとんどの時間をNY市内の病院で過ごしましたが、改めて2020年は医師人生で経験したこともない異様な景色でした。
病院が全く同じ病気の患者で溢れかえるのを見るのも、目の前で全く同じ感染症で次々と人が命を落としていくのを目の当たりにするのも、同僚が会議中に次々と涙しているのを見るのも、医師人生で初めてのことでした。
この緊急事態を乗り越えられたのは、他でもない世界中の協力体制と迅速な予防接種のおかげだったと思います。目を背けたくなるような数字を残していますが、それらがなければさらにひどい状況だったのは間違いありません。
戦争やテロ、天災と同様、経験から何を残すか。パンデミックはまた必ず来るはずです。私たち、そして次の世代が同じ苦しみを経験しなくてすむよう、学びを形に残すのが次の重要なステップです。2020年1月30日、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)が宣言されてから約3年4か月。危機が収束したことは喜ぶべきだが健康上の脅威は残存。ふたたび感染爆発しないよう感染者の定点観測(サーベイランス)、ワクチン治療薬、医療でマネージしていくフェーズへ。
これまで世界で690万人以上、日本でも7万人以上がコロナに命を奪われた。
喉元過ぎれば熱さを忘れる、ではいけない。