なぜ『ナイキ』は世界最大のデジタル小売である『アマゾン』と決別したのか
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Amazon出店を2年で撤退したのは、偽物などが氾濫し、ブランドを保てないからーー。ブランドを重視するナイキのスタンスは、非常に好感が持てます。
ECサイトでの低価格販売戦略は、薄利多売で短期的な売上には貢献するものの、ブランドの価値を下げ、それを保有する消費者にとってのステータス性を失わせ、長期的な成長力を失わせていきます。
元々高いブランドロイヤリティを示すファン会員を多く保有するナイキだからこそできる選択ではありますが、ブランドマネジメントの重要性に改めて気付かされます。
しかし驚いたのは、記事にある「新たな消費者構成」です。One to Oneマーケティングやマス・カスタマイザーションがセオリー化している現代において、ナイキは男性・女性・子供の超単純化した商品構成をとるとのこと。
その成否は別として、マーケティングが新たな時代に入ったことすら感じさせます。アナリストのBenedict Evansが年に1回発表しているレポートThe New Gatekeepersでナイキの直販比率が40%に達しているというデータを見たのが印象的でした。ナイキは最近日本のABCマートのような靴小売大手のFoot LockerとConnected InventoryというFoot Lockerの倉庫の在庫情報にアクセスできる契約を結んでいます。顧客との直接接点化を着実に推進している印象です。過去10〜20年ほど続いた小売優位の時代は終息し、2020年代はブランドの時代になるのかも知れません。
パートナーとなる小売店含めて世界観を共通化しているという。ユーザーエクスペリエンスを第一に考える事が販売の上で大事なのだというメッセージとも言える。
コムデギャルソンもEC販売せずに店舗のみを基本としているが、売られている場所が限られていると、それだけプレミア感も生まれてくる。
考え抜かれた戦略で凄い。
『ワンナイキマーケットプレイス戦略とは、自社の店舗だけでなく、少数の戦略的小売パートナーとともに一貫したプレミアムなショッピング体験を提供することです。つまりナイキのブランドメッセージは直営、パートナーを問わず、店舗でもデジタルでも唯一のものである姿を目指した市場戦略を意味します。』