政府、社会的起業認証制度創設へ 経営者保証や登記見直しも加速
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ソーシャルスタートアップ育成のエコシステム構築において重要な一歩。
社会的起業は通常のスタートアップと比べると、上場やM&Aといったexitまでの道のりが長く険しいケースが多く、民間のファンドから投資を受けにくい背景があります。そもそも上場やM&Aは、目的ではなく方法の1つなので、そこを目指さない企業も多いので、エコシステムとして何かしらの資金調達手段が増えるというのは大いに歓迎すべきです。
また欧米の一部の国では、B Corpなどの第三者の国際認証の認知が浸透していて、B Corp認証企業といったブランド化に繋げている企業も増えています。
また米国においては、営利企業(株式会社など)と非営利企業(NPOなど)の中間的な存在として公益企業(Public Benefit Corporation)という新法人格を認める動きも広がりつつあり、企業は株主利益だけでなく公益を目的に据えることを可能にすることで、社会課題と経済の「二兎を追う」企業の設立をスムーズにすることを狙っています。
新設される日本の認証が、融資や投資などの資金調達に繋がりつつ、お飾りのものではなく、ブランドとして機能するものになってほしいと思います。政府が脱炭素やデジタル化など社会的課題に取り組む起業の認証制度を2023年度中に創設する方針とのこと。規制事業のライセンス取得も近い側面があるのですが、こうした一種のお墨付きはその後の事業活動にとってプラスになりますね。記事の最後で政府調達への参加について触れられていますが、この点は非常に重要だと思うので、認証制度とセットでスタートアップのリソースを政府自身もぜひ活用してもらいたいです。
「社会的課題」に取り組んでいることが社会的に認知されることは良いことと思いますが、他方で、公平性や客観性を求められるために取り組みが形式化・形骸化しがちな政府がそれをやることの妥当性がよく分かりません。
記事の中では脱炭素やデジタル化が例に挙げられていますが、そのように指定されたテーマ以外は社会的課題ではないということになるのでしょうか。もしくは、その他も広く認められるなら、社会的課題とそうではない課題の線引きをどこでするのでしょうか。
そして、その取り組みの効果を何に見込んでいるのでしょうか。それが仮に、その分野における起業や投資の促進だけであれば、「社会的課題」と世の中の価値観を一刀両断するような名称はつけず、単純に、優先起業促進領域とか優先イノベーション領域とか、政府の価値観であることを明示する名称がふさわしいと思います。