サウジ、中国と核協力拡大 中東での拡散に懸念
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原子力平和利用については、正式公表されるまでコメント出来かねますが、3月のイランとサウジの国交正常化は、中東の地域秩序の緩やかな変化を示唆しているかもしれません。
記事では、国交正常化に関する北京合意の際に、原子力の平和利用についてイラン・サウジ間で相互に認め合うことを中国が主導したとあります。
アラブの春以降、米国は、中東各国での民主化を支持し、人権を抑圧する権威主義体制に対しては経済制裁を加えるなどしてきました。他方、中国は表立った内政干渉をあまり行わなず、地域での影響力を高めてきました。
中国は「グローバル安全保障構想」を昨年発表しました。「大国間の協調」を掲げ、「中東の安全保障の新たな枠組みの構築を共同で後押し」するとして中東地域での影響力拡大を図っています。
イランとサウジの国交正常化によって両者の相互不信が若干取り除かれ、決して容易ではありませんが、政治・経済の様々な協力が模索されていくでしょう。
中東地域は、米国との関係はより相対化され、各国同士の二国間関係がより複雑に絡まると共に、米国と並んで、中国という大国がこの地域で仲介役として更に影響力を高めていく地図に、徐々にではありますが、変化していくかもしれません。この内容、世界のメディアでも共同通信しか報じていなくて、やや妙です。
どこの国の「外交筋」が言っているのかは知りませんが。
中国とサウディアラビアの間で、原子力エネルギー利用の協力について、協議されてきたのは従来からのことで、2022年の首脳会談でも議題になっています。
原子力発電のインフラ整備提供、は、中国の重要な外交カードで、パキスタンやバングラデシュでも原子力発電所を建設し、国家的課題である電力不足解消のために大いに歓迎されています。
サウディアラビアは従来は米国に原子力発電所建設を要請していましたが、米国が同意しないため、中国に要請するようになりました。サウジとイランの国交回復仲介は典型的ですが、近年、中国はサウジをアラブ中東地域における戦略的パートナーに位置づけ、対中東外交における最優先事項として取り組んでいます。中国だけでなく、サウジ側も前のめりになっている模様。国益の“主観的一致”が見受けられます。