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ビンキーと呼ばれるアマンダ・アーバンが村上春樹のことに気がついたきっかけについて少し。
前に勤めていた出版社で翻訳を担当していた私はビンキーとのやりとりがよくありました。
彼女は、レイモンド・カーバーも担当していましたが、日本でのカーバーのセールスがよいことに気がつき、調べて見ると訳者が村上春樹でした。
村上自身が小説を書いていることを知り、すでに講談社インターナショナルで英語の訳書もあったので、それを読んで、契約してみようと決意したのだとか。
英米では、作家にはリテラリー・エージェントという代理人がつき、版元に作品を売り込みます。ビンキーは、なうてのエージェントでした。
ひとつめは、複眼的思考をもつこと。記事は、村上さんがアメリカ文学の翻訳を多く手掛けてきたこと、エッセイも書くこと、そして、それらの活動が彼の小説を魅力的にしていると指摘しています。
ビジネスでも同様です。副業、趣味などの充実した活動が結果的に本業の質を高めることは珍しくありません。
二つ目は、仕事のパートナーを厳選すること。村上さんが、アメリカであれ、日本であれ、編集者、出版社、マネージャーを厳選し、長期的関係を築いてきたと紹介されています。
信頼できる仲間をよく見極め、長期的にウィンウィンの関係を築いていくことはビジネスでも同様に重要ですね。
みっつめは、よい習慣をもつこと。村上さんが早起きをし、集中的に仕事をしたあとは、運動と趣味によって質のよい生活、規則正しい生活を送っていると紹介されています。
ビジネスでも、規則正しい生活で心と体を整えることが、仕事の成果を導くのは言うまでもありません。
世界各国の読者に読まれる小説を書くために、仕事や生活の様々な点で工夫し努力されているプロフェッショナルの生き方を学べるよい記事です。
村上春樹さんの新刊発売、そして本屋大賞の発表と、書店店頭が賑わっております。
重なる「祭り」のせいか、私の行った書店のレジには、雨にもかかわらず行列ができていました。
本屋大賞を受賞した凪良ゆうさんのスピーチも素晴らしかった。
自分の作品『汝、星のごとく』のことというよりも、3年越しに会えた書店員のみなさんに感謝を伝え、
「小説をこれからもよろしくお願いします」
と。
本屋大賞ノミネート作品を一通り読みましたので、これから「壁」に向かいます。
メタファーや抽象的な描写が多く、読んだだけではわからない物語が多いです。言い換えれば哲学チックな話が多いですね。
特に、メタファーオンパレードでファンタジー要素が強い"1q84""海辺のカフカ""騎士団長殺し"は単に読んでいるだけでは意味不明です。
ですが、自分なりの視点で読め、そして他の読者の意見と感想を議論できることが村上春樹の醍醐味だと思います。いつのまにか時間が経つのを忘れて村上ワールドに入り込んでしまいます。
しかし周りに語れる大学生が少ないのが悩みです…笑
話違いますが、そもそも今の大学生は半数が本読まないですしね。
でも、村上作品を読んでいてよかったなあと思うのは、海外の初対面の人たちとも村上作品ネタで盛り上がって打ち解けられることですね。村上春樹さんのおかげでだいぶ身を助けていただいています。
私のフランスの友人は夫婦そろってハルキストで早々の両親にも本を贈ってあげてとても喜んでもらっているそうです。「ムラカミハルキって荒唐無稽で全然わからないんだよねー」と言うと「荒唐無稽だからおもしろいんだよ」と返ってきます。
というわけで新作も早速読みますよ♪
言葉のつづりかたが好きだったんですよね~。
ちなみに海辺のカフカを蜷川幸雄さんが舞台化したものは、すごくよかったです、いまでも忘れられないシーンはあれは藤木直人さんだったかな。
それはともかく、早く新作を入手せねばです。
「書き続ける」ことが、どれほど難しいか。色んな作家が居ますが、村上春樹ほどコツコツと書き続けている作家も珍しい。なにせ 40 年も書き続けているのは尋常ではないと思います。そして、確実に上手くなり続けている。ネットでよくネタにされるような文体は、もはや最近の作品からはいくぶん影を潜め、初期と比べてアノニマスでリーダブルな文体が確立しています。描かれるテーマも、少しずつ変わってきている。そういう変化を楽しめるのも、長く書き続けてくれているからこそ。
ところで新作の方は……うーん、残念ながら、僕にとっては期待した内容ではなくて残念。明らかに主題がコミットメントから後退し、かと言って何か強いテーマ性があるかと言われるとそうでもない。悪意や暴力や死は遠景化し、なんなら呑気にそれを乗り越える幽霊まで登場する。ここ数作の村上春樹の作品は、「今の自分の筆力であれば、過去の作品で取り扱ったテーマをどれほど上手く描けるのか」を追求しているように見えるけど、その割には全体の構成も歪つ。明らかに後半は書き急い出るように感じるし、本来物語に組み込まれるはずだったであろう要素もそのまま取り残されていて、なんだか消化不良感。改めて「総合小説」にチャレンジする村上春樹が見てみたいです。