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マリッサ・メイヤーはわずか39歳にして時価総額400億ドルの企業の最高経営責任者(CEO)に上り詰めた。富という観点からすると、グーグルで3億ドル、米ヤフーで2億ドルと、これまでに少なくとも5億ドルの報酬を得ている。どうやってこれほどの猛スピードで出世の階段を駆け上がることができたのだろうか。答えは私の新著“Marissa Mayer and the Fight to Save Yahoo!”にある。本書はメイヤーの生い立ちや、グーグルで驚異的な富と世界的な名声を手に入れるまでの経緯をつづっている。

メイヤーから学ぶことができる5つの教訓

1. 最も「恐ろしい」チャンスを選ぶ。

スタンフォードの大学院を修了しようとしていたメイヤーには、あらゆるキャリアの選択肢があった。高額の報酬で知られるコンサルタントになることもできたし、カーネギー・メロン大学の教授になることもできた。あるいは、おかしな社名を持つ、小規模で赤字のスタートアップ企業に就職する道もあった。

メイヤーは面接を受けたとき、この新興企業に優秀な人材があふれていることに驚いた。頭脳明晰(めいせき)な人ばかりで、おじけづいてしまうほどだった。スタートアップ企業はリスクが大きいうえ、聡明な社員ばかりだったので、メイヤーにとっては、この企業への就職は最も「恐ろしい」選択肢だった。

だからそこに就職することに決めた。そのスタートアップ企業の名はグーグル。メイヤーはグーグル最初の社員25人の一人だった。

2. 自らの相対的な弱みを認識する。

メイヤーはコンピュータのコードを記述する「コーダー」としてグーグルに入社した。最初に任された大きなプロジェクトは、グーグルの広告システムの構築だった。何カ月かかっても進展がなかったため、グーグルはDECのスターコーダーだったジェフ・ディーンを採用した。

ディーンはグーグルにやってきて、メイヤーが構築しようとしていたシステムを数週間で完成させてしまった。グーグルがとても気に入っていたメイヤーは、コーダーとしては実績を残せないと悟り、会社に役に立てる方法を見つけなくてはならないと考えた。

3. 会社の抱える問題を特定し、解決する。

コーダーでいる限り、グーグルで自分の将来はないと気づいたメイヤーは、会社にとって有用な社員になろうと、会社が抱える問題はどんなものであっても必死に取り組んだ。マーケティング部門で働き、サーバーを設定し、PR部門を支援した。

メイヤーは最終的に、グーグルを大きく改善できる三つの分野を見つけた。まず彼女はグーグルのCEO、ラリー・ペイジのスタッフミーティングを率いるようになった。第二に、製品がグーグルの基準を満たすユーザーインターフェースを備えているかどうかを確認する役割も果たすようになった。やがてメイヤーは、検索も含めた全てのグーグル製品の外観や感触について、最終的な判断を下す責任者となった。

第三に、メイヤーはグーグルのアソシエート・プロダクト・マネジャー(APM)プログラムを立ち上げた。高度な技能を持っている学生に管理職教育をする研修プログラムだ。このプログラムに参加したAPMは、現在グーグルの各部門に配置されている。メイヤーは彼らを通して社内で大きな影響力と威信を持つようになった。各APMが、それぞれの直属の上司のほかにメイヤーにも報告するようになったからだ。

4. 他者の領域に入ることを恐れない。

これらの問題に取り組むことで、メイヤーは他の担当者が既に解決しようとしている問題にまで踏み込んでしまうことがあった。自分の領域に侵入してきたと反発を受けることも多かったが、メイヤーはまったく気に留めなかった。

もっと重要なのは、グーグルの経営陣も気にしなかったことだ。経営陣は、スタートアップ企業だったグーグルを悩ませてきたいくつかの問題 をメイヤーが解決したことで満足していた。メイヤーはグーグルで敵もつくったが、数億ドルの利益を生み出し、ビジネス界のセレブになった。

5. 別れを告げるべきときを知る。

私の著書では、やがてグーグル社内でメイヤーの敵が力を増し、彼女が中心的な業務から外されてしまう様子が描かれている。メイヤーは腹を立ててすぐ会社を辞めることもできたが、そうせずに、目立たない場所で、例えばiPhone向けのグーグルマップの開発など、グーグルにとって有益な仕事を続けた。

またメイヤーはヤフーのCEOの仕事にすぐに飛びつかなかった。ヤフーの前CEO、キャロル・バーツが2011年に解任されると、友人の一人はメイヤーに、ヤフーのCEO職を検討してはどうかと勧めた。しかしメイヤーは、検討はしたものの、同社の取締役会は信頼ができないと語っていた。

ところがその数カ月後、「物言う株主」のダン・ローブとの戦いに敗れ、ヤフーの取締役会はほぼ全員が退任した。ローブからCEO就任の打診を受けたメイヤーは関心を示し、その後間もなく2億ドルの契約に署名した。

マリッサ・メイヤーがどのようにしてこれほどの若さでこれほどのカネと権力を手に入れたのか、詳しい話は“Marissa Mayer and the Fight to Save Yahoo!”で。

(執筆:Nicholas Carlson、写真、Business Insider、記者/翻訳:飯田雅美)
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