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台湾海峡の「中間線」になぜ意味があるかというと、この線が暗黙裡の停戦ラインのようなものとして意識されてきたからです。
 ただし、中国と台湾、あるいは中国と米国の間で、この「中間線」を互いに越えないようにする、という合意があるわけではありません。
 1955年に、米空軍のディヴィスという将軍が、中国、台湾双方に、この「中間線」を越えて軍を動かさないように警告したことがある、というだけです(ディヴィス・ライン)。

中国の定義では、台湾は中国の領土ですが、中間線を越えた先も、当然中国の領空である、という解釈をしています。
 近年、中国軍が中間線を越えることが増えてきました。たとえば、2022年8月に米国のペロシ議長が台湾を訪問した時には、22機が中間線を越えました。
 侵略というのは、ある日突然見渡す限りの上陸軍が現れる、というよりも、きょうは3機が1km侵入、次の週は5機が3km侵入、というように、既成事実を積み重ねて乗っ取りに及ぶ、という場合が多いです。

台湾政府は、中国軍に対して軍事力を行使するのは、領海領空(国際的な定義である、国土から12海里=約22km以内)に中国軍が侵入した時である、というガイドラインを示しています。

台湾海峡の幅は、最も狭いところだと130kmです。
 中間線を越えただけでは台湾軍の攻撃は受けない、というのは、中国軍は織り込み済みでやっています。

焦点:中国が狙う台湾中間線「無実化」、注目される米国の対応
https://jp.reuters.com/article/china-taiwan-median-idJPKBN2PW067

「中国と台湾の38度線」台湾海峡中間線が消滅した日
https://news.yahoo.co.jp/byline/nojimatsuyoshi/20220810-00309496
今ちょうどロサンゼルスにいます。来年1月の総統選を見据えて米側との関係をより密接にしたい民進党の蔡英文氏はこちらに立ち寄り共和党のマッカーシー下院議長と面会します。これに対し中国共産党側は軍事行動で報復している構図です。
蔡英文総統がマッカーシー下院議長と会談すれば報復すると警告って、西側諸国では考えられないことを平気でする世界が、すぐそこに存在しているということを、日本は明確に再認識すべきです。
中国軍機の台湾海峡中間線越えは常態化しており、蔡英文総統の米国通過に特段反応を示した様には見えません。

https://www.mnd.gov.tw/PublishTable.aspx?Types=即時軍事動態&title=國防消息

中国側も米国と台湾に対して口頭では厳しく牽制しているものの、今のところ抑制的と言えるのではないでしょうか。