[ワシントン 31日 ロイター] - 米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は31日、連邦準備理事会(FRB)の金融政策を巡る次の動きを考える上で、不透明な金融情勢が重要な役割を果たすとの考えを示した。

ウィリアムズ総裁は講演原稿で「経済見通しが不確実な中、FRBはデータ、およびFRBが担う最大雇用と物価安定の責務に基づき政策決定を行う」とし、「FRBの措置でインフレ率は長期目標の2%まで低下すると確信している」と述べた。

ただ、相次ぐ銀行破綻を受けた金融情勢の急激な変化を受け、FRBの金融政策が今後どのように展開するかについては詳細には語らず、金融政策を考える上で「特に信用状況の推移と、成長、雇用、インフレの見通しに対するその影響を評価することに重点を置く」と述べるにとどめた。

また、シリコンバレー銀行(SVB)の破綻に端を発する金融システムの問題について「2008年の金融危機とはかなり異なる」と指摘。一部の銀行が直面している「特殊な状況」は広範な銀行システムには当てはまらないとの考えを示した。

ウィリアムズ総裁のこの日の発言は、21─22日の連邦公開市場委員会(FOMC)以来初めてのもの。同FOMCでFRBは0.25%ポイントの利上げを決定すると同時に、米銀2行の経営破綻を受け金融市場が混乱する中、利上げが近く一時停止される可能性があると示唆した。