[ニューヨーク 24日 ロイター] - 米国株式市場は上昇して取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)当局者の発言を受け、銀行セクターの流動性危機を巡る懸念が和らいだ。

欧州の銀行株が急落したことを受け、米主要3株価指数は序盤にいずれも大幅安となったが、切り返し、プラス圏で終了した。

FRBによる利上げや銀行システムの健全性を巡る懸念の高まりなどで今週は値動きの激しい展開が続いたが、週間では主要3指数とも上昇を記録した。

JPモルガン・プライベート・バンクのマネジングディレクター、デービッド・カーター氏は「米内外で銀行が再び炎上するのではないかという懸念がくすぶる中、株式市場は上昇に転じた」と指摘。「金利や銀行規制に関してウォール街は米国など各国当局から手がかりを得ている」と述べた。

米セントルイス地区連銀のブラード総裁は24日、規制当局の「強力かつ迅速」な対応によって銀行セクターを巡るストレスが和らぐ中、予想以上に強い経済とインフレ動向を踏まえ、連邦準備理事会(FRB)は金利を想定以上に引き上げる必要がある公算が大きいという見解を示した。

米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は24日、FRBが今週の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%ポイント利上げに踏み切ったことについて、疑念はなかったという認識を示した。

米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は、銀行セクターを巡る懸念がFRBによる今週の利上げ決定を困難なものにしたと認めた上で、FRBの最も重要役割はインフレ率の低下に焦点を当て続けることだと述べた。

カーター氏は、FRB当局者は年内の追加利上げの可能性を示唆したとし、これが経済システムに対する信頼につながったとの見解を示した。

欧州の銀行株の下げを受けて銀行を巡る懸念が高まったが、午後になると和らいだ。

S&P500銀行株指数は小幅安となったが、KBW地方銀行株は2.9%上昇した。

S&P主要11セクターのうち9セクターが上昇。S&P公益事業やS&P不動産などのディフェンシブセクターの上昇が目立った一方、S&P一般消費財とS&P金融が下げた。

ドイツ銀行株の米上場株は3.1%下げた。

JPモルガン、ウェルズ・ファーゴなど米主要銀行は下げ幅を縮小。バンク・オブ・アメリカはプラス圏に上昇した。

パックウェスト・バンコープ、ウェスタン・アライアンス・バンコープはそれぞれ3.2%、5.8%上昇。ファースト・リパブリック・バンクは1.4%安となった。

アクティビジョン・ブリザードは5.9%高。英競争規制当局がマイクロソフトとアクティビジョンの買収に関する競争上の懸念を一部取り下げたことを受けた。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.47対1の比率で上回った。ナスダックでも1.26対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は110億8000万株。直近20営業日の平均は128億4000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 32237.53 +132.28 +0.41 32038.2 32257. 31805.

2 24 18

前営業日終値 32105.25

ナスダック総合 11823.96 +36.56 +0.31 11747.6 11826. 11670.

2 23 67

前営業日終値 11787.40

S&P総合500種 3970.99 +22.27 +0.56 3939.21 3972.7 3909.1

4 6

前営業日終値 3948.72

ダウ輸送株20種 13706.59 +18.91 +0.14

ダウ公共株15種 910.67 +28.13 +3.19

フィラデルフィア半導体 3121.26 -53.10 -1.67

VIX指数 21.74 -0.87 -3.85

S&P一般消費財 1102.47 -3.92 -0.35

S&P素材 484.05 +3.88 +0.81

S&P工業 820.48 +2.87 +0.35

S&P主要消費財 761.34 +12.21 +1.63

S&P金融 515.97 -0.31 -0.06

S&P不動産 223.26 +5.60 +2.57

S&Pエネルギー 598.03 +1.71 +0.29

S&Pヘルスケア 1484.65 +19.20 +1.31

S&P通信サービス 188.77 +0.50 +0.26

S&P情報技術 2552.04 +6.28 +0.25

S&P公益事業 333.82 +10.09 +3.12

NYSE出来高 10.34億株

シカゴ日経先物6月限 ドル建て 27180 0 大阪比

シカゴ日経先物6月限 円建て 27115 - 65 大阪比