ジョブズもベゾスも経験した「まさか」の意思決定 避ける仕組みは?
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意思決定の変更のみならず意思決定の判断基準の変更が困難なことによる意思決定の間違いを多くみてきました。記事中に書かれている「多くの知恵を集めて、小さな意思決定を何回も繰り返す」は、至極当たり前のセオリーだとかねて思っています。
自分で意思決定を行う権限をもつジェフ・ベゾスの意思決定の間違いは、上記とは違うタイプの誤りだと思います。
社会心理学者ジェイ・ホールの実験によると、グループ協議の質が高い場合に正しい回答を出せる確率が上がるとしており、質を高めるための具体的な留意点は以下の通りです。
1 あまり早く意見をまとめない。意見を出し合わない検討は論外。
2 情報交換は100%、主張60%にして人の意見を聞く。
3 正しい主張は最後まで通す。多数決はしばしば失敗する。
4 その意味で、質の高い意思決定には多様性(ダイバーシティ)が必要。
日本の企業が苦手とするところだと思います。
ジェイ・ホールの実験を参考に、学生に対して「実は正解がある課題」を出して議論してもらうと、大体、セオリー通りになります。ベゾスが意思決定に失敗する場合も、上記に当てはまっている可能性があると思います。難しい問題ですね。荒木さんが論じている「意思決定の4類型」は、どれにも利点と欠点があるように思いました。
(1)1人で決め切る:カリスマ型
(2)1人で決め続ける:密室政治型
(3)みんなで決め切る:大衆投票型
(4)みんなで決め続ける:創発回転型
荒木さんは、<この時代において重要な意思決定スタイルとは「多くの知恵を集めて、小さな意思決定を何回も繰り返す」ということだ。>として、(4)創発回転型の重要性を説いているのですが、裏を返すと、創発回転型だとジョブズやベゾズのような成功は望めないように思います。
直近だとザッカーバーグの「メタバース投資」がいい事例だと思うのですが、それぐらい1人で決め切るほうが、成功するときは、大成功になるのではないでしょうか。
普段の仕事は「創発回転型」がいいと思うのですが、時代を変えるような企業や経営者は「こんなことをいってもバカにされるだけでは?」という不安に打ち勝つことなのかな、と思います(不安すら抱かない「異常者」が勝つ、ということかもしれません)。どうでしょうか……。