[23日 ロイター] - 仏製薬大手サノフィが米リジェネロン・ファーマシューティカルズと共同開発したぜんそく治療薬「デュピクセント」は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療薬候補として後期臨床試験ですべての目標を達成した。

現在喫煙しているか、過去に喫煙していた939人が参加した第3相試験で、デュピクセントを投与した患者群はプラセボ(偽薬)群と比べて、疾病の中等度から重度の急性期の症状が30%低減した。また患者の肺機能、生活の質(QOL)、呼吸器症状にも改善が見られた。

全体的な有害事象発生率はデュピクセント投与群が77%、プラセボ群が76%。

リジェネロンのジョージ・ヤンコプロス最高科学責任者(CSO)は「COPDは世界的に緊急を要する健康上の懸念となっている。その空間的な不均一性から治療しにくい疾病として知られ、ここ10年以上新薬が承認されていない」と述べた。

サノフィは第3相試験に先立つ臨床試験を行わないという思い切った決断により、開発期間を数年分短縮したという。

JPモルガンのアナリストのリチャード・ボッサ―氏は、今回の試験データは投資家にとって非常に素晴らしい内容で、デュピクセントの2027年の売上高についての市場コンセンサス(157億ユーロ)が10億─20億ユーロ引き上げられるとの見方を示した。