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ただ、電動のピックアップトラックに変更してしまうと…
(1)全く収益のでない電動ピックアップトラックを売ることになる
(2)電動ピックアップトラック販売の分、ガソリン車が売れなくなる
という二重の問題が発生して、手詰まりになる可能性が高いです。
GMが、この時期に、電動化と、エンジン工場への投資を並行で進めていることに対して、Fordは電動化に全振りという戦略の差が顕著です。
この両社の業績の差に注目するとよいでしょう。
(以下、記事中から引用)
フォードはこの赤字について、長く立派な歴史を持つ同社が取り組む新事業の、いわゆる成長痛だと指摘した。同社は今年の業績について、それでもなお90億から110億ドルの営業利益を計上できる見込みだとしているが、その利益は既存のガソリン車の販売によるものだ。ガソリンを大量に消費するピックアップトラック「Fシリーズ」はとりわけ人気が高く、利益も大きい。フォードのグリーン・ビジネスは電力業界の場合と同様、基本的に化石燃料絡みの利益によって支えられている。
フォードはEVへの投資を続け、2026年末までに8%の営業利益率を達成する見通しを示している。そのためには、消費者の好みの劇的な変化が必要になるほか、フォードが生産過程で可能な限り効率性を向上させる必要がある。
フォードがEV事業の損失に耐えられるのはEVの供給や生産、サービスの上流部門から下流部門に至るまでのさまざまな部分が、補助金から直接的ないし間接的に利益を得ているからだ。具体的には電池の生産や消費者への販売、充電ステーションなどが補助金を受けている。昨年のインフレ抑制法の核心は、EV生産事業を大き過ぎてつぶせないものにすることにある。消費者が何らかの理由でEVの購入を望まない場合には、政府は消費者が購入を望むようになるまでEVへの補助金提供やEV義務化の動きを続けるだろう。
※個人的な見解であり、所属する会社、組織とは全く関係ありません